出雲大社の創建経緯を日本神話をもとに探ります。
神社の起源を日本神話に求める事で、一般的に知られている神社のイメージとは違った側面が見えてきますよ♪
今回は「出雲大社」。「天照大神」の弟である「素戔嗚尊※」の子として国を平定したあと、その国を譲り、祭祀を受けて鎮まる「大己貴神」を祭る神社ですね。「大己貴神」は、別名「大国主」であり、出雲神話最大の英雄・ヒーローです。
出雲神話でも有名な「国譲り」神話に基づく出雲大社の創建経緯をディープにご紹介します。
出雲大社の創建経緯|「柱は高く大し。板は広く厚くしよう。」by高皇彦霊尊
出雲大社の創建経緯
出雲大社についてはコチラで詳しくまとめております⇒「出雲大社|幽世統治の超絶パワースポット!出雲大社の魅力を全部まとめてご紹介!」
今回はその中から、創建経緯をディープにご紹介。
創建は、出雲神話でも有名な「国譲り」神話に基づきます。
経緯としては、国造りをして天下(この世界・国)を経営していた「大己貴神(=大国主)」に対して、高天原側(天の最高神である「高皇彦霊尊」)が国を譲るように交渉を持ちかけたことがあります。
その交渉ロジックは、
- 「大己貴神(=大国主)」の治める「顕露の事(この世界・国のこと)」を自分の孫(皇孫)の統治とする。
- 一方で、「大己貴神」には神事(幽冥の事)を治めることとする。その見返りの優遇策として「出雲大社」を建設する。
といった内容です。
天孫が「この世界」を統治するから、大己貴神は「幽冥の世界」を統治してくれと。さらに、立派な宮もつけるから、なんとか国を譲ってくれないかと。
簡単に言うとそういう話です。
『日本書紀』では以下のように伝えます。
高天原の最高神である「高皇産霊尊」が「大己貴神」に勅して言うシーン。
汝(=大国主)が住むべき 天日隅宮 は、今し供造りまつらむこと、 即ち 千尋の栲縄 を以ちて、結ひて 百八十紐 にせむ。其の宮造の制 は、柱は 高く大し。板は 広く厚くせむ。
⇒お前が住むべき天日隅宮は、今造営してやろう。千尋もある長い栲縄で、しっかりと結んで百八十結びに造り、その宮を建てる規準は、柱は高く太く、板は広く厚くしよう。
『日本書紀』神代紀 第九段一書二
ここで提示し造営した「 天日隅宮 」が「出雲大社」という訳です。
「高く太く、板は広く厚く」ということで、
一説には、出雲大社本殿の高さは、太古は32丈(約100m)、中古は16丈(約50m)、近古は8丈(約25m)という言い伝えもあったりします。
ちなみに、今でも「出雲大社の本殿」は、神社建築の中では日本一の規模を誇ります。
例えば、中古(平安時代)で伝える高さ16丈(約50m)とは、、、
- 15~20階建てのビルに相当
- 法隆寺の五重塔 高さ31.5m
- 日本武道館 高さ42m
- 東京国際フォーラム 高さ60m
- 国会議事堂 高さ65m
といった感じですかね。これだけでも「ドデカイ」建造物だということがわかります。
当時の建築技術で50mもの高さをもつ構造物は作れるはずがないと、伝説になっていたのですが、なんと2000年に、本殿八足門前の境内遺跡から当時のものとされる「宇豆柱(うづはしら)」が発見されています。
▲直径3mの巨大な柱。これがまさに、神話でいう「柱は高く大し。」と思われます。出雲大社隣の「島根県立古代出雲歴史博物館」で展示されてますので是非。
ここから
当時の神殿を復元したのが、同じく博物館に展示されております。
▲太古における出雲大社の復元イメージ。あくまで案の一つではありますが、古代のロマンをこれでもかとかきたててくれますよね。
階段上の神殿を支える柱が「宇豆柱」であり、これが出雲大社にある八足門の地面にあった3つの円という訳です。
▲3つの柱を束ねて一つの大きく高い柱としていた訳ですね。
どこまでも広がる神話ロマン。いずれにしても、こうした巨大な建造物が必要だった「理由」が大事で、
それは国譲りにまつわる交換条件の一つだったから、という事。
国を譲ってもらうためには、それくらい大きな条件提示が必要だったのでしょう。
でないと、大己貴神が暴れてしまうから。暴れるとスゴイから。。。
出雲大社にはそうした背景がある事を踏まえて参拝されると良いと思います。
まとめ
出雲大社の創建経緯
出雲大社は、日本神話にも登場する超重要な神社。
創建の経緯は、高皇彦霊尊が大己貴神と行った「国譲り交渉」における見返りとして提示した優遇策に基づきます。
「あめのひすみのみや(天日隅宮)」という日本語は覚えておきましょう。
とにかくスケールの大きさがポイント。神話的背景と建造理由をしっかりおさえてご参拝くださいね。
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・住所:島根県出雲市大社町杵築東195
・料金:無料
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