大神神社の創建経緯|「日本国の三諸山(三輪山)に住まむ。」by大物主神

 

「大神神社」の創建経緯を日本神話をもとに探ります。

神社の起源を日本神話に求める事で、一般的に知られている神社のイメージとは違った側面が見えてきますよ♪

今回は「大神神社おおみわじんじゃ」現在は「大神神社おおみわじんじゃ」となっていますが、神話の時代は「大三輪おおみわ」。なので、本来は「大三輪神社」という表記。「神」を「みわ」と読ませるのは特別なんです。

大物主神おおものぬしのかみ」が祭神ですが、当の「大物主神」は、三輪山に鎮まっているので、三輪山が御神体なので、「大神神社」には本殿がありません。

拝殿の奥にある「三ツ鳥居」を通して三輪山を拝するという独特の方式で、「原初の神祀り」だとか。ちなみに日本最古の神社です。

神話の時代に登場する大神神社の創建経緯をディープにご紹介です。

 

大神神社の創建経緯|「日本国の三諸山(三輪山)に住まむ。」by大物主神

大神神社の創建経緯は、国造り神話がベースです。

大神神社おおみわじんじゃ(古代は大三輪神社)」を造営し「大己貴神おおあなむちのかみの魂(幸魂さきみたま奇魂くしみたま)」を祭ったのは、実は「大己貴神おおあなむちのかみ大国主神おおくにぬしのかみ」自身です。

※幸魂・奇魂(さきみたま・くしみたま)とは、神様の魂(みたま)の事。
大己貴神おおあなむちがみは『日本書紀』表記、大国主神おおくにぬしがみは『古事記』表記。ともに同じ神様です。

日本最古の正史である『日本書紀』においては、

「大三輪神社」の創建当初は、祭神は「大物主神おおものぬしがみ」ではなく、「大己貴神おおあなむちがみ幸魂さきみたま奇魂くしみたま」なのです。

実は、

  1. 当初: 「大三輪神社のご祭神」=「大己貴神おおあなむちがみの幸魂・奇魂」
  2. そして 「大己貴神の幸魂・奇魂」=「大物主神おおものぬしがみ」という事から
  3. 後に: 「大物主神」=「大三輪神社の祭神」

ということになり、現在に至るという訳です。

繰り返しになりますが、大事なのは、

国造りをした大己貴神(大国主神)の「魂(幸魂・奇魂)」が「大物主神」である

という事。

大己貴神の、自身の魂とも言うべき「大物主神」が、

「吾は  日本国やまとのくに三諸山みもろやま(三輪山)に住まむ  とおもふ。」

と望んだことにより、「大己貴神」が造営したのが「大三輪神社」という訳。

この関係により、

「大己貴神」が国譲りした後は、「大物主神」が八百万神やおよろづのかみを統率する立場に就くことになります。

第10代崇神天皇の御代に、この大物主神の祟りが猛威を振るい、国は統治不能に陥ります。

祭祀により、祟りは鎮まりますが、天皇でさえ制御できない大物主神のすさまじい威力は「大三輪神」の神威を現していると言えます。

それもこれも、もとをただせば神代の「大国主神」に由来する訳です。

要は、

  • 国造りをした大己貴神の幸魂・奇魂である「大物主神」。
  • だからこそ、「大物主神」には国の統治を左右するほどの大きな神威が宿っている。
  • なので、しっかりお祭りをしないと、祟りを起こして国は統治不能に陥ってしまう。。。

という事です。

スゴイ神様なんです、「大物主神」。

「大三輪神社」を参拝されるときは、こうした経緯を踏まえて参拝されると良いと思います。

ちなみに、

「大三輪神社」のご神体「三輪山」は、禁足の山として入山が厳しく制限されてきました。

近代になって特別に入山を許可することとなって現在に至っています。

大神神社 (98)

主な禁止事項としては以下。

  • 飲食・火気の使用
  • カメラ等での撮影
  • 水分補給以外の飲食

何と言っても、山自体がご神体なわけで、これはこれで一般の登山やハイキングとは異なることに注意しましょう。敬虔な心で入山。これポイントです。

 

まとめ

大神神社の創建経緯

大物主大神は三輪山に鎮まっているので、三輪山そのものが御神体。なので、大神神社には本殿がありません。

国造りをした大己貴神(大国主神)の「魂(幸魂・奇魂)」が大物主大神であるという事から、その神威・パワーはものすごい。

三輪山に登るときは、お参りが目的。軽い気持ちでの入山は控えましょう。

 

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・住所:奈良県桜井市三輪1422

公式サイトはコチラ!

・料金:無料

 

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