神武天皇祭|4月3日に橿原神宮で行われる神武天皇祭、2016年は神武天皇二千六百年大祭が行なわれました。

二千六百年大祭@橿原神宮

 

橿原神宮で行われる「神武天皇祭」。毎年、4月3日に行われているのですが、2016年は超拡大版・特別版として、特別な「神武天皇祭」が行われました。

この2016年は、神武天皇が亡くなってから2600年の記念年。100年に一度の節目的位置づけで、いつも以上に盛大に、奥ゆかしく開催されました。

名付けて「神武天皇二千六百年大祭」。実際に行ってみた当日の様子をご報告です。

 

神武天皇祭|4月3日に橿原神宮で行われる神武天皇祭。2016年は神武天皇二千六百年大祭としておごそかに行われました。

神武天皇祭の概要

4月3日は、神武天皇の崩御された日とされており、この日、神武天皇の偉業を讃え奉る祭典が橿原神宮で行われます。これが「神武天皇祭」。

神武天皇崩御については、正史『日本書紀』に伝えます。

七十六年春三月十一日天皇すめらみことは橿原宮で崩御された。時に御年百二十七であった。翌年秋九月十二日に、畝傍山東北陵うしとらのみささぎに葬りまつった。

『日本書紀』神武紀より

※下線部:七十六年春三月十一日は原文「甲午(こうご)朔(つきたち)の甲辰(こうしん)」

これは旧暦の表記であり、新暦になおすと4月3日になるという次第。詳しくはコチラで⇒「論功行賞と国見|エピローグ!論功行賞を行い、国見をして五穀豊饒の国「秋津洲(あきづしま)」を望み見た件|分かる!神武東征神話 No.26

 

神武天皇二千六百年大祭概要

そんな中、2016年は、神武天皇が亡くなってから2600年の記念年でした。100年に一度の節目的位置づけで、神武天皇祭はいつも以上に盛大に、奥ゆかしく開催されました。

それが「神武天皇祭」の特別拡大版「神武天皇二千六百年大祭」という訳。

こちら、4月3日の単日イベントではなく、足かけ2年以上かけて準備が行われ、2016年の4月3日に、大祭として開催された次第。

流れ的には、

  1. ご本殿をキレイにして、
  2. 大祭を迎える。

といった感じ。

ココでちょっと深堀してご紹介します。

 

コトのはじまりは、平成26年10月29日までさかのぼり。

この日、御祭神である神武夫婦は仮殿へ遷座。お引越しされました。で、翌年の平成27年2月から、1年かけてご本殿の桧皮屋根の葺き替え工事を実施。工事は翌年2月に完成し、3月8日に「ご本殿遷座祭」が開催されました。要は、新居にお戻りになったということですね。

その上で、

新居で迎える4月3日の「神武天皇二千六百年大祭」という次第。

神武二千六百年大祭
↑特設ページより。詳細はこちらで。ご参考にされてください。

大祭の主な流れは、

  • 開始のご挨拶
  • 一同お祓い
  • 宮司さん&勅使入殿
  • 幣帛へいはく奉納&祝詞奏上
  • 神楽奉納
  • 関係者から榊奉納

といった感じです。←外から見てて。詳細不明部分あり

二千六百年大祭@橿原神宮
二千六百年大祭@橿原神宮

 

神武天皇祭(神武天皇二千六百年大祭)会場の様子

2016年の神武天皇祭(神武天皇二千六百年大祭)を特別にお届けします。

当日は薄曇りの天気。雨予報もあったのですが降らずに済んで良かったです。

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (5)

▲橿原神宮入口の駐車場。紀元祭のときは街宣車とかかまびすしい感じだったのが一転。静かでした。

 

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (6) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (8) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (9) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (10)

▲手水舎のあたりから参列者の皆さんが。礼服の皆さんが多い!流石でございます。

 

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (11) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (14) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (15)

▲この日、なんと天皇陛下もお越しに。実際、お昼12時~17時は境内一般入場禁止。。。周辺一帯は警察の皆様が厳重な警戒に、、、という結構モノモノしい感じでありました。

 

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (17) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (19)

▲受付です。一般参列と神社等関係者の窓口と分けられておりました。事前に申し込みしておけば外拝殿の中に入って参列できます。

 

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (21) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (23) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (26)

▲外拝殿の中。大祭は10時から。この日、9時30分ごろに到着したのですが既にたくさんの方々が。

 

10時、大太鼓の音とともに大祭が始まりました。

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (28)

▲式はじめの奏上?中央の朱い服のお方が宣言されます。内拝殿の右側にモーニング姿の重役の皆さんが。。。スゴ

 

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (29)

▲お祓いです。朱い服の後ろでお祓いを振ってらっしゃいます。四方へ向けて。

そしていよいよ宮司さんと勅使の方々、幣帛(へいはく)の登場です。

幣帛(へいはく)とは神様へ奉献する供物のこと。御紋入り緑の布に包まれた箱に入っています。

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (35) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (38) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (39) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (41) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (42) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (43) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (46) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (49) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (52) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (59) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (63) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (64) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (70)

 

次は、祝詞奏上&幣帛奉納。

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (76) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (78)

▲分かりますかね?左から幣帛=お供え物を運んで、中央から順次運び込むフローです。

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (83)

▲何やら奏上されておられます。

神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (84) 神武天皇二千六百年大祭@橿原神宮 (93)

▲神楽奉納。遠くからでもその奥ゆかしいゆったりとした動きは見えました。美しい。

 

この間、およそ1時間程度。厳かに神武天皇祭特別拡大版「崩御2600年大祭」が進んでおりました。

と、ここで、せっかくなので古代の神話的トリビアをご紹介。

正史『日本書紀』は、神武天皇の御宝年(寿命)を127歳と伝えます。在位期間は76年。

127年も生きたって。。。汗

ちなみに、第10代の天皇までの宝年(寿命)と在位期間は以下の通り。

天皇 読み 宝年 在位
1 神武 じんむ 127 76
2 綏靖 すいぜい 84 33
3 安寧 あんねい 57 38
4 懿徳 いとく 77 34
5 孝昭 こうしょう 113 83
6 孝安 こうあん 137 102
7 孝霊 こうれい 128 76
8 孝元 こうげん 116 57
9 開化 かいか 115 60
10 崇神 すじん 120 68

いずれも、長生き。。。

記録と歴史は必ずしも一致しないということで。これはコレ、古代のロマンであって、ありえないってだけで切り捨てるのはもったいないですよね。

 

直近の「100年式年大祭」といえば、今年の「崩御2600年大祭」と、昭和15年の「即位2600年大祭」ですね。

「崩御」と「即位」という意味合いの違いの他、実は大祭自体の位置づけが全然違います。

現代の崩御式年大祭は、平和な現代日本における神宮的大祭といった感じですが、昭和の即位式年大祭は、戦争の時代における国家的大祭といった感じでした。

時代が違えば位置づけも変わり、参加や関与の仕方が変わってきますよね。

詳しくはこちらで。参考までに。

今回の大祭は、もちろん天皇陛下の参列はあったものの、昭和式年大祭との盛り上がりの違いは一体。。。

ただ、全国から集まってらっしゃる参列者、参拝者の皆さんには純粋に信仰とか日々の生活への感謝といった想いもあった訳で。この部分は純粋にいいなと感じますし、時代に左右されない普遍的なところだと思います。
個人的には、神話の時代からずっと続く文化や伝統を持つ国に生まれ育って生きていられる事への感謝だったりを感じておりました。あらためて、ま、いろいろありますが、とにもかくにも、神話の時代のことを現代までずっと続けている日本ってほんとスゴイ!と思いました。

 

まとめ

神武天皇二千六百年大祭

天皇陛下もこの日に合わせて参加された大祭。紀元祭と比べて周囲のノイズが無く、奥ゆかしさと荘厳さが際立つお祭りでした。

幾多の試練と困難を経て建国を果たした神武の事蹟を偲び、今こうしてあることへの感謝を感じさせていただいたお祭り。

引き続き春の神武祭が続きますので、お時間があれば是非お立ち寄りいただき御参拝されてください。

 

■ 基本情報

  • 住所: 奈良県橿原市久米町934
[map addr=”奈良県橿原市久米町934″]
  • アクセス: 近鉄 橿原神宮前駅から徒歩5分
  • 開門時間:日の出から日没の間
  • 電話番号: 0744-22-3271
  • 駐車場: 約800台 
  • 公式サイトURL: http://www.kashiharajingu.or.jp/

 

こちらの記事もどうぞ。オススメ関連エントリー

神武東征神話1

近くのホテルはこちらで!



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
アバター画像
さるたひこ

日本神話.comへお越しいただきありがとうございます。
『日本書紀』や『古事記』をもとに、最新の文献学的学術情報を踏まえて、どこよりも分かりやすく&ディープな日本神話の解釈方法をお届けしています。
これまでの「日本神話って分かりにくい。。。」といったイメージを払拭し、「日本神話ってオモシロい!」「こんなスゴイ神話が日本にあったんだ」と感じていただける内容を目指してます。
日本神話研究の第一人者である佛教大学名誉教授の榎本先生の監修もいただいているので情報の確かさは保証付き!文献に即して忠実に読み解きます。
豊かで多彩な日本神話の世界へ。是非一度、足を踏み入れてみてください。
参考文献:『古代神話の文献学』(塙書房)、『新編日本古典文学全集 日本書紀』(小学館)、『日本書紀史注』(風人社)、『日本古典文学大系『日本書紀 上』(岩波書店)他
error: Content is protected !!