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「龍田大社」は、奈良県生駒郡三郷町にある神社。風の神を祭る神社として知られます。
「風の神」。
なかなかお目にかかれないレアな感じ。曰はく「万物の根源である「気」を守護し、あらゆるご利益が期待できる神社」との事。
スゴイです(゚A゚;)ゴクリ 、、、それにしても、なぜこの生駒に風なのか?特異な存在だけに気になります。
今回は、そんな自称レア&スーパー御利益を持つ龍田大社を、古代ディープなマメ知識と合わせてご紹介です。
龍田大社|風の神様を祭る龍田大社は「気」を守護し、運気アップから病気平癒など幅広く御利益がある件
龍田大社の場所
奈良県生駒郡にあります。
JR大和路線「三郷」駅より徒歩5分。小高い丘というか山の上。
ここ龍田の地は、日本神話的には神武東征神話と関連があり、私さるたひこは神話目的で訪れた次第。
詳しくはこちら↓で。
神武が大和入りのために最初に目指した地が「竜田」。コレ、現在の「龍田」。結局、ここに至る生駒山の狭く険しい道によって通れないことが判明し引き返すことになるのですが。。。

▲コチラ、神武東征神話を地図に落とし込んだルート図。大阪平野と奈良盆地を隔てる生駒山。そして、生駒山が途中で切れるところ、平地で繋がる細い道が竜田の地であります。
大坂から奈良へ。南北両側を山に挟まれ、現在は25号線と大和川が通ってます。
奈良の入口であり大和平野に入るところ、小高い山の上に風の神様が鎮座されてる訳ですね。

▲コチラ、龍田大社の入口の様子。入口の鳥居前は広い駐車場になってマス。無料なので直接GO!
電車の場合は、JR関西本線の大和路線「三郷駅」から徒歩5~10分ほど。

▲官幣大社なんですね。威容を感じる鳥居の風。奥からかすかに風が・・・?
龍田大社境内の様子

▲鳥居をくぐると、まっすぐに続く参道。そして、奥に拝殿、本殿が見えます。


▲手水舎。コチラは龍田大社だけに龍神さん。
そして、さらに進むと拝殿があります。


▲拝殿から本殿を望みます。とっても綺麗な風。お祭りともなるとココで神楽などの舞踊が奉納されるのでしょう。
御祭神

- 天御柱大神・・・別名「志那都比古神」
- 国御柱大神・・・別名「志那都比売神」
この2つの大神、神社の創建経緯で説明されています。
社伝曰はく、第10代・崇神天皇の時代。国内に凶作や疫病が流行し騒然としているなか、天皇の夢に「大神」が現れ、
吾が宮を朝日の日向かう処、夕日の日隠る処の龍田の立野の小野に定めまつりて・・・
と神託を授けたとのこと。その通りにお社を造営すると、作物は豊作、疫病は退散した。。。
と。
ですが、
『日本書紀』や『古事記』等の文献を辿っても「天御柱大神」や「国御柱大神」という名前は見当たらない。。。かろうじて「比古神」「比売神」は祝詞(のりと)に出てくるのですが。。。
ということで、
ちょっとディープに古代マメ知識を。
まず、「風の神」は、日本神話的には国産みのシーンで登場します。
『日本書紀』第五段 一書第六より。
伊弉諾尊(♂)と伊弉冉尊(♀)の2神が「大八洲国」を生むと、その国には朝霧がかすんで立ちこめていた。その霧を吹き払った気(いき)が自然に神になった。その神の名前が「級長戸辺命」で、「是れ風の神なり」と伝えます。
●必読→ 『日本書紀』巻第一(神代上)第五段 一書第6 ~人間モデル神登場による新たな展開~
なので、神話的には、風の神=「級長戸辺命」であります。
「天御柱大神」や「国御柱大神」はどこから出てきたんでしょうか?
歴史上は、天武天皇4年4月10日に、
「風神を龍田の立野(たての)に祠らしむ(まつらしむ)」『日本書紀』と伝えるのが初見。以後、ほぼ毎年持統天皇の御代まで記録があります。
ちなみに、『神祇令(養老令)』第六には、孟夏(4月)と孟秋(7月)に「風神の祭」を行う事を定めてます。
『延喜式』はこれを引き継いで、祭りを10月と7月の各4日に行うと定め、朝廷より5位以上を差遣し、国司も次官以上一人が専任担当していました。「風神の祭」、結構大々的に行われていた重要なお祭りだったということですね。
その祝詞に「比古神」「比売神」が登場します。そして、「比古神」「比売神」に「幣帛」と共に、諸種の供物を献じ、
天の下公民の作る物を、悪しき風、荒き水に相はせたまはず、皇神の成し幸はへたまはば。
と祈っていました。風や水の害が起こらないように祈る祭りが「風神の祭」という訳ですね。
なので、文献や歴史上は、「比古神」「比売神」で伝えられている訳で、やはり「天御柱大神」や「国御柱大神」は遡れないのです。。。
風の神、謎を秘めた神様であります。
まとめますと、
- 社伝のご祭神は「天御柱大神(別名:志那都比古神)」「国御柱大神(別名:志那都比売神)」。ただし、文献上は確認できない名前である事。
- 日本神話的に「風の神」は「級長戸辺命」。伊弉諾尊(♂)と伊弉冉尊(♀)の2神が生んだ「大八洲国」に朝霧がかすんで立ちこめていて、その霧を吹き払った気(いき)が自然に神になった。と伝えている事。
- 歴史上は、天武天皇4年4月10日に、「風神を龍田の立野に祠らしむ」『日本書紀』と伝えるのが初見。『神祇令(養老令)』第六には、孟夏(4月)と孟秋(7月)に「風神の祭」を行う事を定めていて、大々的に行われていた事。
- 「風神の祭」の祝詞に「比古神」「比売神」が登場し、風や水の害が起こらないように祈っていた事。
以上、是非チェックされてください。

▲拝殿の脇のところから本殿を。。。って、見えにくいですね。すみません。
御利益
ご神名の「御柱」とは「天地万物の中心の柱」とされ、別名の「志那」とは「息長(長寿)」を意味し、「気息の長く遠く吹き亘る」とされます。つまりは天地宇宙の万物生成の中心となる「気」をお守護(まも)りくださる、幅広いお力のある神様です。
神社説明文より
との事。すばらしい。。。天地宇宙の万物生成の中心となるのが「気」であり、それを加護する神として幅広く展開しているわけですね。
その他のアレコレ


▲神社として、陰陽五行の思想を打ちだされております。これもその一環ですね。
その他、末社のみなさん。
白龍神社

御祭神:白龍
御利益:神結びの神、浄難災難除け、安産祈願
江戸末期に、神社境内に白蛇として出現。明治後期に一夜にして姿が消え、明治41年にふたたび白龍として登場。これを吉報としてお迎えしお祭りされたそうです。

▲白龍様はお水が大好き。お水をたっぷりかけていただければ幸いです。
龍田恵美須神社

御祭神:恵美須神
御利益:商売繁盛、福徳開運、家庭円満
寛永元年(1243年)摂津の西宮戎神社から御分霊をいただき祭祀。一度廃れて、昭和62年に再度、同神社から御分霊をいただき祭祀。「龍田恵美須さん」として親しまれております。
三宝稲荷神社

御祭神:稲荷神
御利益:商売繁盛
創建経緯不明。昔から「三方稲荷さん」として商売を営む皆さんの信仰篤い神社。
まとめ
龍田大社
奈良県生駒郡三郷町立野にある神社で、社伝曰はく、ご祭神は「天御柱大神(別名:志那都比古神)」「国御柱大神(別名:志那都比売神)」。
ご神名の「御柱」は「天地万物の中心の柱」。転じて、天地宇宙の万物生成の中心となる「気」をお守護りくださる、幅広いお力のある神様です。
一方で、古代文献上の根拠が見当たらない謎の神様でもあって、日本神話的には「風の神=級長戸辺命」。こちら、国産み神話で登場します。
境内は、小高い丘というか山の上にあって、のんびりとした風が漂っていて心地よいです。空間の広がりがそう感じさせるのかも。
その他、商売繁盛系として3つの神社もお祭りしてますので、こちらも是非チェックされてください。
〒636-0822 奈良県生駒郡三郷町立野南1丁目29−1
JR大和路線「三郷」駅より徒歩5分。小高い丘というか山の上。
電話. 0745-73-1138(午前9時〜午後5時)
授与所受付:午前9時〜午後5時(ご祈祷受付は4時まで)
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