枚岡神社|笑いは世界を救う?!国家安泰から開運招福まで幅広い御利益ありの神社は岩戸神話にちなむ「お笑い神事」が胸を熱くしてくれる件

 

枚岡神社ひらおかじんじゃは大阪府東大阪市にある神社。

生駒山系のひとつ「神津嶽かみつだけ」のふもと、神聖な空気ただよう深い森の中にひっそりと建ってます。

ココ、神武東征神話で神武が橿原かしはら即位する3年前に創祀されたと伝える由緒ある神社。生駒山自体が東征神話の舞台として設定されているので神話的にも是非チェックしてもらいたいスポットでもあります。

今回は、そんな神話の時代から続く激しく奥ゆかしい枚岡神社ひらおかじんじゃをご紹介します。

 

枚岡神社|笑いは世界を救う?!国家安泰から開運招福まで幅広い御利益ありの神社は岩戸神話にちなむ「お笑い神事」が胸を熱くしてくれる件

枚岡神社に関連する日本神話

まずは当サイトならでは、枚岡神社に関連する日本神話からご紹介。

枚岡神社の御祭神は、主祭神として「天児屋根命あめのこやねのみこと」と「比売御神ひめみかみ」。主祭神の天児屋根命あめのこやねのみことは、朝廷の祭祀をつかさどった中臣氏の祖神。比売御神ひめみかみはその后神です。

特に、「天児屋根命あめのこやねのみこと」は、当社のお笑い神事の元ネタである天岩戸神話で活躍する神様。天岩戸神話は、『日本書紀』神代巻。第七段〔本伝〕と〔一書2、3〕で伝えます。

概要

  • 天照大神が天石窟あまのいわやこもってしまったので、世界は常闇とこやみにつつまれた。
  • 八十万神やそよろづのかみ天安河辺あまのやすのかわらで対策を協議。
  • すると、思兼神おもいかねのかみが深謀遠慮を巡らし、
    • 中臣連なかとみのむらじの遠祖「天児屋命あめのこやねのみこと」が祈祷する事。
    • 援女君さるめのきみの遠祖「天鈿女命あまのうずめのみこと」に俳優わざをき(こっけいなしぐさや踊り)をさせる事。になった。
  • で、やってみた。
  • すると、石窟いわやの中にいた天照大神は「どうして天鈿女命あまのうずめのみことが喜び楽しんでるのだろう」と気になって磐戸いわとを開けて外を見た。
  • そのとき、手力雄神たちからおのかみが(磐戸を引き開け)天照大神の手を取って引き出し申し上げた。
  • すると、世界に光が戻り、天地に日の光が充ち満ちた。

めでたしめでたし

ポイント2点

  • 天児屋命あめのこやねのみことが祈祷をした(祭祀を司り、祝詞を申し上げた)
  • 天児屋命あめのこやねのみことは、中臣なかとみ氏の祖神。中臣なかとみ氏は宮中で祭祀を司る御家柄。その由縁をさらっと伝えている。

枚岡神社にまつわる神話はこの2点を是非チェックされて下さい。

ちなみに、天児屋命あめのこやねのみことは「一書第2、3」でも登場しますが「神々しい祝言を述べた」とか「広く厚い祝詞」「美しい言葉」といった形で伝えています。祭祀を司り、その祝詞は非常に美しく、広く深い内容だったという事ですね。

 

枚岡神社への道

枚岡神社の住所は、大阪府東大阪市出雲井町。

近鉄の「枚岡駅」すぐ!超駅チカな神社です。

枚岡神社 (8)

▲こちら、大阪方面からの到着番線。ずっと先にいくと、石切駅があります。右手が生駒山。枚岡駅自体は、超ローカルな感じの駅で、、、

大阪方面からいらっしゃる場合は、駅の反対側になりますので、改札を出て線路を渡ってください。

 

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▲駅のプラットフォームから枚岡神社が見える!

 

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踏切を渡って。。。

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▲駅チカ! ほんと駅直結型の便利な神社です。

 

枚岡神社の創建経緯

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初代天皇の神武天皇が橿原宮で即位した紀元前660年。の、3年前。つまり紀元前663年に創祀。

神武天皇の詔によって、現在の神社が建つ場所より東、生駒山系の一つ「神津嶽かみつだけ」にお祭りをしたのが最初。って、そんな記述は『日本書紀』にはないので神社独自伝承と言った感じでしょうか。

その後、白雉元年(650年)に現在の地に神殿を造営、山の上から遷祀せんしされました。

ちなみに、奈良の春日大社かすがたいしゃ創建に際して、この神社から御祭神の2神を分祀したことから、春日大社の元宮というこで「元春日もとかすが」とも呼ばれます。

その後、経津主命ふつぬしのみこと武甕槌命たけみかづちのみことが合祀され4棟並列の御殿が完成しております。

 

枚岡神社の境内

ココからは、枚岡神社の境内の様子をご紹介。

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▲広くて深いエントランス。流石、河内国の一之宮「枚岡神社」。スケール感を感じます。

 

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▲手水舎。なんかいいですね。山の清水が湧き出てるような感じがします。

 

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▲ほんと、山のふもとな感じのところに鎮座されてます。すぐ後ろは生駒山山系の「神津嶽かみつだけ」。

 

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清浄な空気の中で石段を上がっていくと、、、

 

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▲こちらが枚岡神社拝殿であります。

 

枚岡神社の御祭神

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主祭神

  • 天児屋根命あめのこやねのみこと
  • 比売御神ひめみかみ

※主祭神の天児屋根命あめのこやねのみことは、朝廷の祭祀をつかさどった中臣氏の祖神。比売御神ひめみかみはその后神です。

 

枚岡神社の御利益

  • 天児屋根命あめのこやねのみこと・・・国家安泰、家内安全、夫婦和合、開運招福
  • 比売御神ひめみかみ・・・安産・子授け・除災
  • 経津主命ふつぬしのみこと・・・商売繁盛、病気平癒、元気回復、交通安全
  • 武甕槌命たけみかづちのみこと・・・必勝祈願、厄除け

 

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枚岡神社の本殿。創建経緯で申し上げたように、最初2神。後に2神追加で、現在の特徴的な4神殿ができあがっています。

 

枚岡神社のお笑い神事

枚岡神社を語るうえで忘れてならないのがコチラ!

「お笑い神事」。

詳しくはコチラで動画がありますので。参考にされて下さい。3分あたりから笑いまくる皆さんの姿がご覧になれます。


(撮影者:candypapaさん)

根拠となる書紀記載内容をもとに、

  • 岩戸の前で、八十万神やそよろずのかみ鈿女うずめらが笑ったり踊ったりするのにつられて天照大神が出てきて光を取り戻した、

というところから、

  • 「笑い」は世界を明るくする

ということで、この「お笑い神事」につながってます。

、、、こ、これが神事って。。。

毎年12月25日に新しい注連縄しめなわを鳥居にかけますが、この時、その下で全員大声で笑いまくるというイベント。ま、とにもかくにも見ていると胸が熱くなります。

 

その他

本殿右奥に、、、

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2つ、摂社と末社があります。

若宮社

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御祭神:天押雲根命あめのおしくもねのみこと

御利益:学業成就、五穀豊饒

 

天神地祇社

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御祭神:天神あまつかみ国神くにつかみ

御利益:諸願成就

ココ、地味ですが、御祭神は超重要です。天神を祭ってるだなんて!超絶もんげー神社であります。

 

そして、

境内の南(本殿を正面にみて右手奥)には、梅の名所として知られる約500本の「枚岡梅林ひらおかばいりん」があります。

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「かおり風景100選」に選ばれるほど、春にはたくさんの観光客でにぎわう人気のスポットです。

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▲山の中腹辺りですから。遠く大阪の都心部が見えます。景色良し!

 

その他、オススメは「神津嶽かみつだけ」山頂付近にあるもともとの鎮座スポット。「神津嶽かみつだけ本宮」があります。「元春日」と呼ばれるのは正式にはココ。

こちら、上記梅林から道が続いていますし、逆方面、本伝左手からも行く事が出来ます。

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▲登山道というか、ハイキングコースとして整備されてます。山頂まで30分くらい。

この日は時間が無く行けませんでしたが、次、機会をみつけて行ってみたいと思います!

 

おまけ

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▲なで鹿。。。

 

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▲創建経緯は神話の時代までさかのぼる訳で、、、このあたりの木々は太古からの時間の流れを感じさせてくれます。とても深くて神聖な空気が漂ってます。

 

まとめ

枚岡神社

大阪府東大阪市鎮座。生駒山系のひとつ「神津嶽かみつだけ」のふもと、神聖な空気ただよう深い森の中にひっそりと建つ神社です。

ココ、神武東征神話で神武が橿原かしはら即位する3年前に創祀された由緒ある神社。

生駒山自体が東征神話の舞台として設定されているので、神話的観点からも是非チェックしてもらいたいスポットでもあります。

住所
大阪府東大阪市出雲井町7番16
駐車場 あり
トイレ あり

枚岡神社のHPはこちら!

 

コチラも是非

どこよりも分かりやすい日本神話解説シリーズはコチラ!

日本神話とは?多彩で豊かな神々の世界「日本神話」を分かりやすく解説!

日本書紀 現代語訳
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天地開闢
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参考文献:『古代神話の文献学』(塙書房)、『新編日本古典文学全集 日本書紀』(小学館)、『日本書紀史注』(風人社)、『日本古典文学大系『日本書紀 上』(岩波書店)他
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