神世七代|別天神の後に成った七代12柱の神々。神の世に、新しく世界が次々に具体的な形をとって展開するさまを表象。

 

日本神話に登場するいろいろな言葉、語句を解説します。今回は『古事記』を中心に「神世七代かみよななよ」です。

神世七代かみよななよ」は、『日本書紀』にも『古事記』にも登場する神々のカテゴリ。

『日本書紀』の神代紀では、天地の始まりに伴って最初に誕生した「純男じゅんだん」と、続いて誕生した「対偶神(男神と女神の一組)」とを、一括して「神世七代かみよななよ」と称しています。

一方、『古事記』では、5柱の「別天神ことあまつかみ」が誕生した後、続いて誕生する「独神ひとりがみ」2柱と「対偶神」10柱の計12柱の神々の総称。

今回は、『古事記』を中心にご紹介します。

 

神世七代|別天神の後に成った七代12柱の神々。神の世に、新しく世界が次々に具体的な形をとって展開するさまを表象。

まずは、登場する部分の詳細をコチラでチェック☟

『古事記』本文より「天地開闢」の語訳とポイント|天に五柱の別天つ神、地に七代の神々出現。神名を連ねる手法で天地初発を物語る。

2016.09.16

天地の初発から次々に神が誕生し、神世七代かみよななよまで続く『古事記』版「天地創生神話」であります。

一覧整理するとこんな感じ。

%e7%a5%9e%e6%a7%98%e4%b8%80%e8%a6%a7

上記は『古事記』伝承。

ポイントは、神世七代の神々は、別天つ神ことあまつかみとは異なり、地上に出現すること。

そして、神の名前は、この地上世界の成り立ちを表象しています。

ただ、その意味については、様々な説があり、いまだに決着をみていません。

こんな感じ。

意味① 意味② 意味③
1 国之常 国の恒常的確立 国土の根源 神々の生成の場としてのトコの出現
2 豊雲野 雲の覆う原野 原野の形成 神々の生成を具現化している二元的な場
3 宇比地&須比智 男女一対の盛土(地鎮) 土砂の発生 神の原質としての泥と砂
4 角杙&活杙 棒杙(境界の形成) 杙の打ち込み 現れ出ようとする最初の形
5 意富斗&大斗乃 門棒(住居の防塞) 居住の完成 男女神の性が形態として表面化したこと
6 淤母陀&阿夜訶 男根・女陰の神像(生産豊穣の霊能) 人体の完備・意識の発生 形態の完備を体と用の両面から言ったもの
7 伊邪那岐&伊邪那美 交歓の2面像(媾合生産) 夫婦の発生 完全体としての神の身体的出現の次第を表すもの

まーいろいろある訳です。

ただ、その要点をまとめてみると以下になります。

神名 表象するもの
国常立 天の常立神に続き、それと対応して成る国の恒常的確立。
豊雲野 地上世界に豊かな雲のわき立つ野が出現したこと、地上世界の豊穣。
宇比地&須比地 天→国、雲野→泥砂という対応に即した、地上世界の土台。
角杙&活杙 土台としての大地の、いまだ固定しない状態を固定する「力強く霊能をもつ杙」
意富斗&大斗乃 偉大な、男女両性の部位。「斗」は伊弉諾尊・伊弉冉尊の媾合こうごうをいう「美斗能麻具波比みとのまぐはい」の「斗」。
於母陀&阿夜訶 男女両性の出現に続き、その男と女をそれぞれ「面足おもたる」「あやかしこね」と称える。
伊邪那岐&伊邪那美 男女が完備したあと、その男と女とが互いに結婚・国生みに向け誘いあう。
%e7%a5%9e%e4%b8%96%e4%b8%83%e4%bb%a3

これ、ホントによくできた神名になっていて。

表象するのは、

神の世に、新しく世界が次々に具体的な形をとって展開するさま。

であります。

簡単に言うと、以下のような物語展開。

  1. 先ずは、国(といっても、天に対応する世界の事。具体的な国は伊邪那岐と伊邪那美が生みます。)が確立し、
  2. そこに、豊穣を約束する「雲のわき立つ野」が出現。
  3. ここに、大地の土台ができ、これを力強い杙がしっかり固定します。
  4. そして、男女両性が登場し、互いにまっとき性を具有することを称えあう。

、、、

ステキですね。ゾクゾクします。

日本的な、極めて日本的な世界創生の物語。

特に大きいのは、伊邪那岐&伊邪那美の誕生です。

この2柱の神が誕生する前は、国や野が誕生したり、土台とか杙とか、表象内容は外観・外見にとどまっているのですが、

伊邪那岐&伊邪那美の登場によって、男と女が互いに誘い合い、心を交わせ、お互いの存在を認め合うようになります。

これは、つまり、男女が一体化しようと声を掛け合っているという事。

ポイントはまさにここで。

要は、日本神話的世界創生は「最終的に収斂しゅうれんしていく事」にあります。

一体のものとして収れんするのです。

国→野→土台→男と女の誕生、そして一体化。

男と女という、本来的にあい異なる性が、異なればこそ互いに誘いあって一体化しようとする本質的・根源的なありようを表象している。

こんな世界創生を描いているところが他にあるのでしょうか。

神の世の最後に、男女が互いに誘いあう本来的なあり方を表象する神が出現したことにより、神世七代という世界も完成をみる、とも言えて。

だからこそ、そのあとに、いよいよ具体的な国や神々が誕生していく流れが出来上がる訳ですね。

神世七代、その位置づけを全体の文脈から見るととても奥ゆかしい内容になっていることが分かります。ココの部分、是非チェックいただければと思います。

 

天地開闢まとめはコチラで!

『古事記』版☟

『古事記』本文より「天地開闢」の語訳とポイント|天に五柱の別天つ神、地に七代の神々出現。神名を連ねる手法で天地初発を物語る。

2016.09.16

『日本書紀』版☟

日本神話を読み解く|天地開闢まとめ 『日本書紀』第一段本伝からポイントをわかりやすくまとめました(語訳付き)

2016.01.07

日本神話の概要をコチラで是非☟

『日本書紀』と『古事記』の違いに見る「日本神話」の豊かさとか奥ゆかしさとか

2016.01.08

日本神話好きな皆さまへ。当サイトおススメ神社の皆さん!

伊勢神宮(皇大神宮・内宮)|伊勢神宮を日本神話から紐解く!伊勢神宮の魅力を全部まとめてご紹介!

2016.09.28

出雲大社|幽世統治の超絶パワースポット出雲大社をまとめてご紹介!

2016.10.23

橿原神宮|日本建国の地!日本神話から入る橿原神宮の魅力をまとめてご紹介!

2016.01.18

厳島神社|世界文化遺産!美しく荘厳なパワースポットの厳島神社をまとめてご紹介!

2016.05.06

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

ABOUTこの記事をかいた人

さるたひこ

こんにちは、さるたひこです!読んでいただきありがとうございます。「日本神話をこよなく愛するナビゲーター」として日本神話関連情報、題して「日本神話がおもしろい!」を発信していきます。どうぞよろしくお願いします。ちなみに、ネーミングは、天孫降臨の折、瓊瓊杵尊を道案内した国津神「猿田彦命」にあやからせていただいてます。ただ、神様の名前をそのまま使うのは畏れ多いので「さるたびこ」の「び」を「ひ」に変えております。