揖夜神社|黄泉国の入口近くに鎮座し「死」を司る伊弉冉尊を祭る!なにかと死と関連するディープな神社。黄泉比良坂伝承地と合わせて要チェックなスポットデス|島根県松江市

 

揖夜いや神社は、島根県松江市にある神社。

ココ、『古事記』に死の国「黄泉」の入口である「黄泉比良坂よもつひらさか」は「出雲国の伊賦夜坂いふやさかである」と伝え、主祭神に死を司る「伊弉冉尊いざなみのみこと」を祭ります。

今回は、そんな何かと「死」に関連するディープな神社をご紹介します。

 

揖夜神社|黄泉国の入口近くに鎮座し「死」を司る伊弉冉尊を祭る!なにかと死と関連するディープな神社。黄泉比良坂伝承地と合わせて要チェックなスポットデス

揖夜神社の場所

松江市東出雲町揖屋いや

地名にもなってる神社。近くには中海なかうみ。中海は、松江市・安来市と鳥取県境港市・米子市にまたがる湖です。

旧国道沿いの杜に鎮座。

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こちら、背後の山の反対側には「黄泉比良坂伝説地」がありますので、合わせてチェックされてください。また隣接する安来市の比婆山には「伊邪那美命」のご神陵があったりもします。

と、、、この辺り一帯はイザナミ・テリトリーな感じで、死に直結するアブナイ地域だったりします。気を付けてご通行を。

 

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▲神社の入口ビュー。旧社格は郷社、後に県社となった経緯あり。地元な感じの佇まい。

 

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▲神門。どっしりした感じです。

 

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▲拝殿。こちらも重厚な感じが伝わってきます。

 

創建経緯

詳細不明。

「いや」「いふや」という似た音により、いくつかの伝承あり。

『古事記』神代巻:死の国「黄泉国よみのくに」の入口は「黄泉比良坂よもつひらさか」であり、これは「出雲国の伊賦夜坂いふやさか」であると伝えます。

他、

『日本書紀』斉明天皇5年の条:出雲大社の創建にかかわった「言屋社いふやのやしろ」として伝えます。

『出雲国風土記』:伊布夜いふや社、『延喜式神名帳』:揖夜いや神社。

いずれも、奈良時代から平安には広く知られていた神社だったと推測されます。

伊賦夜いふやについて。

「死んだ伊邪那美(♀)を追って伊邪那岐(♂)が黄泉の国に行ってきた神話」で登場。先ほど記載通り、「黄泉国よみのくに」の入口は「黄泉比良坂よもつひらさか」であり、これは「出雲国の伊賦夜坂いふやさか」であると。

で、『古事記』の「伊賦夜いふや」は『出雲国風土記」の「伊布夜いふや」と同じだと考えられており、つまり、この社周辺が黄泉の入口として神話的に設定されていたという訳ですね。

朝廷の崇敬も篤く、『三代実録』には、清和天皇の貞観13年、「正五位下しょうごいのげ」という神階しんかいが授けられたという記録あり。

また、当社は出雲国造が直轄する「意宇六社」の一つ。出雲大社遷宮の際には、今でも出雲出雲国造のご奉仕があったりします。

 

ご祭神

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伊弉冉尊、大己貴命、少彦名命、事代主命

ご利益:国家安泰、子孫繁栄、五穀豊穣、家内安全、商売繁盛、厄除け、病気平癒

 

ご祭神

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▲本殿は見事な大社造り。堂々たる佇まいであります。

神座は出雲大社と反対で、左から右に向かっているのが特徴とのことで。

五色の極彩色の神事の障壁画(県文化財)が壁に描かれているそうですが、、、見えません。

 

主祭神の「伊弉冉尊」について、当サイトならではの無駄に深堀りコーナーを。

「いざなみ」については、『古事記』では「伊邪那美」、『日本書紀』では「伊弉冉」という神名で登場しています。

神社的には「伊弉冉尊」なので、『日本書紀』系ということで。以下、『日本書紀』から「黄泉の国へ行ってきた神話」をご紹介。第五段一書第六から。

経緯として、

直前の、第五段一書第二では、火神ひのかみである軻遇突智かぐつちを生んだときに、伊弉冉尊いざなみのみこと(♀)が軻遇突智かぐつちの火に焼かれて死んでしまう事を伝えます。

続く、一書第六で「黄泉の国へ行ってきた神話」が登場。死んだ伊弉冉尊を追って、伊弉諾尊が黄泉の国へ行く神話ですね。

詳細は別稿で。ざっくり言うと、

  1. 死んだ伊弉冉尊いざなみのみこと(♀)は、やってきた伊弉諾尊いざなきのみこと(♂)に「私の姿を見ないで」と言いますが、伊弉諾尊は見てしまう。
  2. すると伊弉冉尊の体は膿でただれ蛆がわいていた。なんてこった。ビックリした伊弉諾尊は逃げ帰ろうとする。
  3. ところが、見られたことに怒った?伊弉冉尊は手下を繰り出し伊弉諾尊を追いかける。
  4. そして、黄泉平坂よもつひらさかという「この世界と黄泉の世界の境界の地」で、伊弉諾尊は岩で境界を封じ、今生の別れを言い渡す。
  5. すると伊弉冉尊は岩の向こう側から「お前の世界の民を日に千人殺してやる」と呪いをかけた。
  6. それに対して伊弉諾尊は「それなら、こちらは日に千五百人生もう」と言い渡す。

といった神話。

その他の一書においても概ねこの話の筋を踏襲しています。

さて、大事なのはココからで。

この神話から、

  • 黄泉の国の統治者は伊弉冉尊であること。
  • 伊弉冉尊は「見るなの禁」を侵した伊弉諾尊を恨んでいること。
  • 「伊弉諾尊=この世界=生」、「伊弉冉尊=黄泉の国=死」、という対立構造があること。

が言えます。

とくに、「生と死の対立構造」はめちゃ大事で。

こうした背景を知っておくことがこの神社理解には欠かせないと思います。是非チェックされてください。

 

その他、境内各社をご紹介。

三穂津姫神社

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ご祭神:三穂津姫命

本殿の右手にあります。高皇産霊尊たかみむすひのみことの娘で、大物主神おおものぬしのかみの后ですね。

 

韓國伊太氐からくにいたて神社

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ご祭神:素盞嗚命すさのおのみこと五十猛命いそたけるのみこと

本殿の左手にあります。一般的には、「五十猛いそたける」を中心に祭る神社とされていて、「五十猛いそたける」は「素盞嗚すさのお」の子という設定のある神です。

社名が独特。一説には、「韓国からくに」とあるのは「五十猛いそたける」が「素盞嗚すさのお」に伴われて朝鮮半島を経由して日本へ渡ってきたことによるもので、「伊太氐いたて」とは「五十猛」が音を転じたもの、といった内容があります。

 

稲荷神社

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おまけ

黄泉比良坂伝承地

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揖夜神社の背後の山の反対側、車で10分程度のところにあります。⇒「黄泉比良坂伊賦夜坂伝説地|あの世の入口??この世から黄泉国へ至る坂の伝説地はおどろおどろしい空気が流れ込んでくるような気がした件

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▲こちらは主に、『古事記』伝承に基づく黄泉へ続く坂。おどろおどろしい雰囲気が。。。((((;゚Д゚))))ガクカブル

 

まとめ

揖夜神社

島根県松江市にある神社。

ココ、『古事記』に死の国「黄泉」の入口である「黄泉比良坂よもつひらさか」は「出雲国の伊賦夜坂いふやさかである」と伝え、主祭神に死を司る「伊弉冉尊いざなみのみこと」を祭ります。

何かと「死」に関連するディープな神社。松江お立ち寄りの際は是非参拝されてください。

 

松江市東出雲町揖屋2229

住所:松江市東出雲町揖屋2229

JR揖屋駅から徒歩10分程度。

駐車場:あり。10台程度。無料。

 

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こんにちは、さるたひこです!読んでいただきありがとうございます。「日本神話をこよなく愛するナビゲーター」として日本神話関連情報、題して「日本神話がおもしろい!」を発信していきます。どうぞよろしくお願いします。ちなみに、ネーミングは、天孫降臨の折、瓊瓊杵尊を道案内した国津神「猿田彦命」にあやからせていただいてます。ただ、神様の名前をそのまま使うのは畏れ多いので「さるたびこ」の「び」を「ひ」に変えております。