伊勢神宮の参拝方法|外宮先祭をベースにした伊勢神宮独自の参拝方法があります。

 

伊勢神宮の参拝方法にはいくつかのポイントがあります。なんせ、神代から続く日本最高峰の神宮ですから、蓄積されてきた「しきたり」というのがある訳です。

「しきたりと気持ちバランス」の着地点はそれぞれの信仰にお任せですが、今回はその中でもポイントと理由をまとめてみましたのでご紹介します。

 

伊勢神宮の参拝方法|外宮先祭をベースにした伊勢神宮独自の参拝方法があります。

伊勢神宮とは

参拝方法をご紹介する前に、ざっと「伊勢神宮」の概要を把握しておきましょう。

直接的な創建経緯は、今から2000年ほど前、垂仁天皇の時代。

垂仁すいにん25年3月、天皇の第四皇女である倭姫命やまとひめのみことが、天照大神を鎮座させる地を求め、諸国を旅します。で、「伊勢国」に来たところで、天照大神が「ココが良い!」と言って鎮座地決定した経緯アリ。詳細コチラで⇒「伊勢神宮の起源|「常世の浪が打ち寄せる美しい国だから。」by天照大神|日本神話をもとに神社の起源を探る

で、以後、皇室の祖先神「天照大神」を祭る神社として、すべての神社のさらに上に位置する神社として位置づけられてきました。特に、全国的な制度として確立した近代社格制度(明治時代から戦前まで)でも、一般の社格の対象外。要は、「別格」であります

伊勢神宮の正式名称は「神宮」。「伊勢神宮」自体は通称です。「お伊勢さん」「大神宮さん」と呼ばれることもあり。

実は、「伊勢神宮」自体は、単体の神社のことではなく、全部で125社もある宮社の総称。その実態は、「皇大神宮こうたいじんぐう内宮ないくう)」と「豊受大神宮とようけだいじんぐう外宮げくう)」の2つの「正宮しょうぐう」を中心として、14か所の「別宮べつぐう」、109か所の摂社・末社・所管社、計125の宮社であります。

いわゆる「伊勢神宮」と言われるのは、この「皇大神宮こうたいじんぐう内宮ないくう)」こと。ココ、重要なので是非チェック。その他、代表的なところで以下は是非チェックしておきましょう。

⇒「外宮(豊受大神宮)|伊勢神宮の台所!天照大神の食事を司る豊受大御神は衣食住や産業の守り神としても篤い崇敬をあつめていますが、実は丹波国出身。

⇒「月讀宮(皇大神宮別宮)|簡素明澄にして清純な四宮が並列する独特なスタイル!厄除け、心身浄化、開運招福、安産・子授けご利益で信仰を集める宮では参拝順番にご注意を。

⇒「月夜見宮(豊受大神宮別宮)|清々しさとシンプルさを兼ね備えた社殿が美しい!天照大神の弟的立ち位置の月夜見尊を祭る神社

とにもかくにも、悠久の歴史と伝統、そして史上最強・全治全能的神様を祭る神社、それが伊勢神宮です。

 

伊勢神宮の参拝方法

さて、そんなこんなで、伊勢神宮の参拝方法も独特。なんせ2000年以上の歴史を誇る神社ですから。蓄積されてきた「しきたり(参拝方法)」というのがある訳です。

以下、ポイントを6つにまとめます。

%e4%bc%8a%e5%8b%a2%e7%a5%9e%e5%ae%ae-4

①外宮から内宮へ参拝する順番です。

参拝は外宮とセットで。どっちかだけだと「片詣り」と言われあんまりよろしくありません。

②内宮は右側通行。真ん中は神様の通り道です。

一方の「外宮」は左側通行です。いずれも、真ん中は神様の通り道とされるので避けましょう。

③鳥居の前では一礼を。

神域に入る宇治橋の手前に最初の鳥居があります。入る時、出るときいずれも一礼します。

④まずは正宮にお詣り。その後、別宮をめぐる。

ご祭神である天照大神が祀られている御正宮ごしょうぐうから先に。他の2つの宮は正宮しょうぐう参拝のあとで。

⑤御正宮では報告と感謝を中心に。

正宮しょうぐうでは今までの事を報告し、感謝の念を届けます。個人的なお願いや祈りは「荒祭宮あらまつりのみや」でしましょう。

⑥「二拝、二拍手、一拝」で。

二拝は、最敬礼を二回。最敬礼なので深めの礼を。二拍手は手を二度打つこと。最後に一拝で最敬礼で締めます。

まずは、これだけ押さえておけば大丈夫!

あと、補足としては、

⑦浜参宮と呼ばれる習わしもあります。

昔から続く「お伊勢参り」。の、伝統的に、伊勢神宮参拝の前に身を清める必要があるということで、「浜参宮はまさんぐう」と呼ばれる習わしがあったり。これは、近くの二見浦ふたみがうらで「みそぎ」をして心身を清めるというもの。

詳しくはコチラで⇒「夫婦岩と二見興玉神社|夫婦岩の間から昇る日の出の美しさと荘厳さに感動!倭姫命がその美しさに2度振り向いたのも納得の、伊勢の超おススメ観光スポット!」有名な「夫婦岩めおといわ」があるスポット。お時間があれば是非チェック。

他にも、外宮のほか月読宮等の別宮を回ってから参拝すべし的な内容もありますが、、、ま、あんまり形にとらわれる必要はなく、やはり気持ちが大事だと思います。

ただ、ひとつひとつの作法には意味があるわけで、これはこれで大事にしたいですよね。

例えば、

「外宮→内宮の順番」は、神宮での祭典がベースになっていて。神宮祭典は「外宮先祭げくうせんさい」と言われ、まず外宮で祭儀が行われる「ならわし」あり。この祭典の順序にならい、参拝も外宮から内宮の順にお参りする、という訳です。

他にも、

御正宮ごしょうぐうでは報告と感謝とし、個人的なお願いは「第一の別宮」で、とされるのも、第一別宮にはご祭神の「荒御魂あらみたま」が祀られているから。荒御魂あらみたま」とは、神様の魂のことで、格別なご神威を現すマインドと表出(あるいは働き)のことを言います。なので、お願いごとをする際には、格別なご神威を現される方でしたほうが、成就する確率が上がるという訳ですね。

個人的には「感謝先行・利益後続」の優先順位はどんな場面でも大事だと思ったりします。「しきたりと気持ちバランス」の着地点はそれぞれの信仰にお任せ、ということで。

ご利益はコチラも参考にされてください⇒「伊勢神宮の御利益とは?日本神話が伝える天照大神の御神徳は「照らす」ということ、私たちをいつも見守ってくださっています。

 

まとめ

伊勢神宮の参拝方法

「伊勢神宮」自体は、全部で125社もある宮社の総称。正式名称は「皇大神宮こうたいじんぐう内宮ないくう)」。2000年以上の歴史を誇る神宮なので、蓄積されてきた「しきたり」があります。

特に重要なのは全部で7つ。ただ、「しきたりと気持ちバランス」の着地点はそれぞれの信仰にお任せということで、縛られることなく、自分の心地よいあり方の中でご参拝をされてくださいね。

伊勢神宮についてはコチラで詳しくまとめてます!⇒「伊勢神宮(皇大神宮・内宮)|伊勢神宮を日本神話から紐解く!伊勢神宮の魅力を全部まとめてご紹介!

 

どこよりも分かりやすい日本神話解説シリーズはコチラ!

日本神話とは?多彩で豊かな神々の世界「日本神話」を分かりやすく徹底解説!

日本書紀 現代語訳
『古事記』現代語訳
天地開闢
国生み神話

 



コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ABOUT US
アバター画像
さるたひこ

日本神話.comへお越しいただきありがとうございます。
『日本書紀』や『古事記』をもとに、最新の文献学的学術情報を踏まえて、どこよりも分かりやすく&ディープな日本神話の解釈方法をお届けしています。
これまでの「日本神話って分かりにくい。。。」といったイメージを払拭し、「日本神話ってオモシロい!」「こんなスゴイ神話が日本にあったんだ」と感じていただける内容を目指してます。
日本神話研究の第一人者である佛教大学名誉教授の榎本先生の監修もいただいているので情報の確かさは保証付き!文献に即して忠実に読み解きます。
豊かで多彩な日本神話の世界へ。是非一度、足を踏み入れてみてください。
参考文献:『古代神話の文献学』(塙書房)、『新編日本古典文学全集 日本書紀』(小学館)、『日本書紀史注』(風人社)、『日本古典文学大系『日本書紀 上』(岩波書店)他
error: Content is protected !!