大祓とは? 簡単!しかも効果あり!「大祓」で心と体の大掃除をしよう

大祓 橿原神宮

 

1年のなかで6月と12月になると、全国の神社で「大祓(おおはらえ)」という神事が行われます。

「大祓おおはらえ」は、日常の中で付着する穢れや災い、もしくは犯した罪や過ちなどを祓い、清める儀式。

年2回行われていて、6月と12月。

6月は夏を越えていくので「夏越なごしの祓」、12月は年越しなので「年越の大祓」と呼ばれてます。

年2回、心身の大掃除。

半年の間にやってしまった過ちは全てリセット、再び元気な状態でスタートしよう、というなんとも前向きな神事。今回はそんな大祓の概要をご紹介します!

 

大祓とは? 簡単!しかも効果あり!「大祓」で心と体の大掃除をしよう

大祓とは?

大祓の茅の輪

まずは「大祓(おおはらえ)」とは何か?をご紹介。

大祓とは、日常の中で付着する穢れや災い、もしくは犯した罪や過ちなどを祓い、清める儀式です。

年2回行われていて、6月と12月。

6月は夏を越えていくので「夏越なごしの祓」、
12月は年越しなので「年越の大祓」と呼ばれてます。

ちなみに、新年の初詣ですが、実は旧年12月のうちに大祓を済ませ、心身ともにキレイになったうえで神社に詣でるのが〇。

ま、年2回、心身の大掃除をしましょうと、それが大祓であり、半年の間にやってしまった過ちは全てリセット、再び元気な状態でスタートしよう、というなんとも前向きなイベントです。

 

大祓の方法

とても簡単。

一般的には、神社で配られる「形代かたしろ」で心身を清めます。

「形代」は、人の形をしていて、和紙でつくられてます。要は、自分の分身、身代わりですね。この「形代」に、自分に代わって穢れや罪を清めてもらう、という訳。

大祓の人形のご案内

▲こちら、住吉大社の大祓「人形」。住吉大社の御祭神は祓え清めパワーが超絶です(神話的に)。

一般的には、

  1. 「形代」に、自分の名前や年齢を書く
  2. その「形代」で体のあちこちを撫でて、体に付着した穢れを移す
  3. 最後に、息を吹きかけて、心の穢れとあわせて自分の身代わりとする

すると、あら不思議、「形代」に自分の穢れや罪が移されます。

で、この「形代」を神社で清めてもらいます。

これで、半年の間の「やっちまったな!」的なことが全てリセットされるのです!

簡単すぎる!!!

 

6月には「茅の輪くぐり」

▲こちら丹生川上神社の茅の輪。

 

大祓 夏越

▲こちら、鶴岡八幡宮の夏越の祓。

6月の「夏越の祓」になると、「茅(ちがや)」を編んでつくった大きな「茅の輪ちのわ」が登場。多くは神社の参道に設置されます。

要は、

これをくぐれば心身ともにキレイになると同時に、悪霊退散・疫病退散といった効果がある

という訳で。

その昔、夏場は暑さで体力が落ち、疫病の流行が恐れられていました。そこで、「茅の輪を腰につけていれば疫病にかからない」という「蘇民将来そみんしょうらい」の伝説にちなんで、茅の輪くぐりが行われていた、という経緯あり。

この「蘇民将来」の伝説、『備後国風土記』逸文にあります。

簡単に言うと、

①ある村に、お金持ちの「巨旦将来こたんしょうらい」と貧しい「蘇民将来そみんしょうらい」の二人がいました。

②ある夜、「武塔神むとうしん」なる神様が一夜の宿を求めてきました。

③お金持ちの「巨旦将来こたんしょうらい」は断り、貧しい「蘇民将来そみんしょうらい」は宿を貸してあげた。この時、「蘇民将来そみんしょうらい」は「武塔神むとうしん」から「茅の輪」をつける事を教わります。

④その後、村に疫病が大流行。茅の輪をつけていた「蘇民将来そみんしょうらい」は疫病から逃れ、「巨旦将来こたんしょうらい」は死んでしまいます。

⑤その後、再び「武塔神むとうしん」が現れ、自分は「須佐之男命すさのおのみこと」である事、そして「腰に茅の輪を付けていれば疫病にかからない」と教えてくれました。

語句解説
「茅(ちがや)」はイネ科の植物で、葉先がとがっていて「矛」に似ています。なので、茅は悪霊を取り除くとされていた事が背景にあるようです。

この「茅の輪を腰につけていれば疫病にかからない」という伝承が全国に広まっていき、時代を経て今のような形になった次第。

それにしても、「須佐之男命すさのおのみこと」が絡んでいたなんて、、、

「須佐之男命すさのおのみこと」はもとはといえば、人間に害悪を与える凶悪な神。だからこそ、疫病から逃れる方法も知っていた訳ですね。元をたどれば日本神話に行きつく。めっちゃオモロー!ですね。

『日本書紀』第五段

 

日本神話では、「穢れたら祓う」

と、いうことで、このような現代の「大祓」。辿っていくと日本神話にいきつく訳ですが、、

実は、日本神話では、現在行われているような「定期的に祓う」という考え方はありません。

日本神話的には、
「穢れたら祓えばいい」のです。

「禊祓」の日本神話的起源は、伊奘諾尊いざなきのみこと(♂)が、黄泉よみ=死の穢れを取り除くため、「筑紫日向小戸橘之樟原つくしのひむかのおどのたちばなのあはぎはら」で身を濯いだ神話。以下、その現場。

伊奘諾尊は黄泉から辛うじて逃げ帰り、そこで後悔して「私は今しがた何とも嫌な見る目もひどい穢けがらわしい所に行ってしまっていたものだ。だから我が身についた穢けがれを洗い去ろう。」と言い、そこで筑紫つくしの日向ひむかの小戸をどの橘たちばなの檍原あはぎはらに至り、禊祓みそぎはらえをした(身の穢けがれを祓い除いた)。 

伊奘諾尊既還 乃追悔之曰 吾前到於不須也凶目汚穢之處 故當滌去吾身之濁穢 則往至筑紫日向小戸橘之檍原 而祓除焉 (『日本書紀』巻第一(神代上)第五段〔一書6〕より一部抜粋)

筑紫日向小戸橘之檍原

上記神話の通り、まさに「死の穢れが付着したから祓った」という事。つまり、祓いを行うのは、何かしらの穢れが身に付着したときだけ。

なので、日本神話的にいけば、

「穢れている場合は、祓ってもらいましょう」という事になります。

もし、自分が良い状態・アゲアゲの状態にあるなら、特に祓う必要はありません。

もし、良くない状態にある、または過去に「いろいろやっちまった」という事であれば祓ってもらいましょう。

実際、「定期的に祓う形」になったのは、平安時代以降。

これには、「藤原摂関政治=秩序と安定が最重要視された事」があります。定期的に祓うという「周期」と「儀式」を作り出すことで穢れをできる限り除去しようとした訳ですね。

ま、

このあたりは、人それぞれの考え方かと思いますので、その中での「大祓」の活用でよろしいかと思います。

個人的には、「祓うとキレイになれる」というのは日本独特の考え方であり、どんな人でも、「祓う」だけで、これまでの穢れや罪といったネガティブな要素が消えて無くなるというのは、とてもオープンで清々しいと思っています。

つまり、「神様は人を問わない」って事。

なので、

年2回、「大祓」を通じて
気持ちが少しでも晴れやかに、前向きになれるのであれば、この機会を活用すべきかと。

とくに、大みそかとか、家の大掃除とあわせて、自分の心と体の大掃除もいいと思います♪

 

事例:日本のはじまりの地、橿原神宮の大祓

例えば、ということで、事例をご紹介。

日本建国の地、橿原神宮。12月31日の「年越の大祓」の様子を大祓の流れを現場レポートです。

大祓当日は、15時からスタート。

▲大祓開始の15時前。南禅門に皆さんが集まり始めてます。

 

▲参加者の皆さんに「大祓詞」が配布されます。コレ、後ほど大祓儀式の中でみんなで唱和。

 

▲大祓の重要アイテム「形代」も配られます。

▲人の形をしていて、和紙でつくられてます。自分の分身、身代わり。コチラも後ほど使用。

 

▲15時、大祓開始。勅使館の方から神職さんが登場です。

 

▲大祓の舞台、南禅門へ向かいます。

神職さんが位置についたところで大祓スタート。

▲まずは、みんなで「大祓詞」を唱和。

 

その後、「形代」を自分の体になすりつけます。自分の分身、身代わりとして、この「形代」に、自分に代わって穢れや罪を付着させます。

ここにも神話的要素が。付着性のものなので、擦って取れる、あるいは、擦って他の物に移すことができる、という考え方です。

▲自分に花吹雪も吹きかけて祓清め。

 

▲そして最後の祓清め。コレで今年付いた穢れや罪や諸々は一切合切キレイに・:*:・:(*゚Д゚*)キタコレ:・:*:・

 

▲その後、南禅門の内側で、集めた罪や穢れの一切を縁切りする儀式。千切ってます。

 

▲千切ってます。

 

▲そして、それらいろいろなものは運んできた箱の中に入れて持ち去る、という流れ。です。

 

▲しっかり封印。穢れだらけですからね。

 

▲登場した方へ戻っていかれて大祓の儀式は終了です。

 

おまけ

▲年末の橿原神宮。年の瀬を感じる雰囲気。いつ来ても厳かな風。

 

●必読→ 橿原神宮|日本建国の地!初代「神武天皇」が即位した地「橿原神宮」を徹底解説!

日本のはじまりの地で過ごす年末年始。なんだか気分一新感が半端ないです。是非。

 

大祓の祝詞

以下、祝詞もご紹介しておきます。参考にされてださい。

大祓詞おほはらへのことば

高天原たかまのはらに神留かむづまり坐ます 皇すめらが親むつ神かむ漏ろ岐ぎ 神かむ漏ろ美みの命みこと以もちて 八や百ほ萬󠄄神よろづのかみ等たちを神かむ集つどへに集つどへ賜たまひ 神かむ議はかりに議はかり賜たまひて 我あが皇すめ御み孫まの命みことは 豐葦󠄂とよあし原はらの水穗國みづほのくにを 安國やすくにと平󠄁たひらけく知しろし食󠄁めせと 事こと依よさし奉まつりき 此かく依よさし奉まつりし國中くぬちに 荒󠄄あら振ぶる神等かみたちをば 神かむ問とはしに問とはし賜たまひ 神掃かむはらひに掃はらひ賜たまひて 語こと問とひし磐根いはね 樹根きね立たち 草󠄂くさの片かき葉󠄂はをも語こと止やめて 天あめの磐座放いはくらはなち 天あめの八重やへ雲ぐもを 伊頭いつの千別ちわきに千別ちわきて 天降あまくだし依よさし奉まつりき 此かく依よさし奉まつりし四方よもの國中くになかと 大おほ倭やまと日ひ高見國だかみのくにを安國やすくにと定さだめ奉まつりて 下したつ磐根いはねに宮みや柱ばしら太ふと敷しき立たて 高天原たかまのはらに千木ちぎ高たか知しりて 皇すめ御み孫まの命みことの瑞みづの御み殿あらか仕つかへ奉まつりて 天あめの御み蔭かげ 日ひの御み蔭かげと隱かくり坐まして 安國やすくにと平󠄁たひらけく知しろし食󠄁めさむ國中くぬちに成なり出いでむ天あめの益人ますひと等らが 過󠄁あやまち犯をかしけむ種種くさぐさの罪事つみごとは 天あまつ罪つみ 國くにつ罪つみ 許許太久ここだくの罪つみ出いでむ 此かく出いでば 天あまつ宮事みやごと以もちて 天あまつ金木かなぎを本もと打うち切きり 末すゑ打うち斷たちて 千ち座くらの置座おきくらに置おき足たらはして 天あまつ菅麻󠄁すがそを本もと刈かり斷たち 末すゑ刈かり切きりて 八針やはりに取とり辟さきて 天あまつ祝詞のりとの太ふと祝詞のりと事ごとを宣のれ。

此かく宣のらば 天あまつ神かみは天あめの磐門いはとを押おし披ひらきて 天あめの八重やへ雲ぐもを伊頭いつの千別ちわきに千別ちわきて 聞きこし食󠄁めさむ 國くにつ神かみは高山たかやまの末すゑ 短山ひきやまの末すゑに上のぼり坐まして 高山たかやまの伊褒理いほり 短山ひきやまの伊褒理いほりを搔かき別わけて聞きこし食󠄁めさむ 此かく聞きこし食󠄁めしてば 罪つみと云いふ罪つみは在あらじと 科しな戶どの風かぜの天あめの八重やへ雲ぐもを吹ふき放はなつ事ことの如ごとく 朝󠄁あしたの御み霧ぎり 夕ゆふべの御み霧ぎりを 朝󠄁風あさかぜ 夕風ゆふかぜの吹ふき拂はらふ事ことの如ごとく 大おほ津邊つべに居をる大船おほふねを 舳解へとき放はなち 艫とも解とき放はなちて 大海原おほうなばらに押おし放はなつ事ことの如ごとく 彼方をちかたの繁しげ木きが本もとを 燒鎌󠄁やきがまの敏と鎌󠄁がま以もちて 打うち掃はらふ事ことの如ごとく 遺󠄁のこる罪つみは在あらじと 祓はらへ給たまひ淸きよめ給たまふ事ことを 高山たかやまの末すゑ 短山ひきやまの末すゑより 佐久那󠄁太理さくなだりに落おち多岐たぎつ 速󠄁川はやかはの瀨せに坐ます瀨せ織おり津比賣つひめと云いふ神かみ 大海原おほうなばらに持もち出いでなむ 此かく持もち出いで往いなば 荒󠄄潮󠄀あらしほの潮󠄀しほの八百道󠄁やほぢの八や潮󠄀道󠄁しほぢの潮󠄀しほの八百やほ會あひに坐ます速󠄁開はやあき都比賣つひめと云いふ神かみ 持もち加加呑かかのみてむ 此かく加加呑かかのみてば 氣い吹ぶき戶どに坐ます氣い吹ぶき戶ど主ぬしと云いふ神かみ 根國ねのくに 底國そこのくにに氣い吹ぶき放はなちてむ 此かく氣い吹ぶき放はなちてば 根國ねのくに 底國そこのくにに坐ます速󠄁はや佐須良比賣さすらひめと云いふ神かみ 持もち佐須良さすらひ失うしなひてむ 此かく佐須良さすらひ失うしなひてば 罪つみと云いふ罪つみは在あらじと 祓はらへ給たまひ淸きよめ給たまふ事ことを 天あまつ神かみ 國くにつ神かみ 八百やほ萬󠄄よろづの神等共かみたちともに 聞きこし食󠄁めせと白まをす。

 

まとめ

大祓おおはらえ

日常の中で付着する穢れや災い、もしくは犯した罪や過ちなどを祓い、清めるための儀式。

年2回開催。6月は夏「夏越(なごし)の祓」で「茅の輪くぐり」が有名。12月は「年越しの大祓」。

これまでの穢れや「やっちまったな!」的過ちは全てリセット。気分一新。再び元気な状態でスタートできます♪

日本の「祓」の起源は、日本神話にあり。神話風に言えば「穢れている場合は、祓ってもらいましょう」という事でOK。

「祓うとキレイになれる」というのは日本独特の考え方であり、どんな人でも、「祓う」だけで穢れや罪といったネガティブが消えるというのは、とてもオープンで清々しい。つまり、「神様は人を問わない」って事で。

なので、年2回、「大祓」を通じて、気持ちが少しでも晴れやかに、前向きになれるのであれば、この機会の活用をオススメします。

 

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参考文献:『古代神話の文献学』(塙書房)、『新編日本古典文学全集 日本書紀』(小学館)、『日本書紀史注』(風人社)、『日本古典文学大系『日本書紀 上』(岩波書店)他
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