日本神話.comならではの、日本神話的観点から入った三重の神社紹介をお届けします。
三重といえば伊勢神宮。日本神話における最高神「天照大神」を祭る、激しく重要な神宮です。
伊勢神宮を中心に周辺には多くの美しい神社がありますし、伊勢だけでなく他にも特徴的な神社もある三重。
今回は、伊勢神宮を中心に関連する神社を、そして神代でも登場する神様をお祭りする個性豊かな神社の皆さんもまとめてご紹介です。
三重県の神社巡りオススメスポット|三重は理想郷である「常世国」に一番近くて美しい国!伊勢神宮を中心に日本神話から入る三重の神社の御祭神・御利益をまとめ!
目次
1.日本神話的三重県の位置づけ
まずはじめに、日本神話における三重県の位置づけをご紹介します。
突然ですが、
三重県は、理想郷である「常世の国」に一番近い国。
、、、突然でしたが、実はそうなんです。
「常世」とは、古代人が夢想した「神仙郷」で、不老長寿の理想郷。
なんと、日本神話においては、三重県が接する海の向こうに、そんな理想郷が設定されてたりするんです。
三重県の神社をご紹介する前に、この地理的設定をしっかりチェックいただければと思います。
日本神話の一つ、神武東征神話をもとに地図に表すとこんな感じ。
本件、根拠としては2つあります。
- 神武東征神話における、3兄「三毛入野命」喪失時の記述より。
- 人代、垂仁天皇記における、天照大神お引越しの記述より。
以上の2点から「常世国」の位置づけが見えてきます。
①の東征神話においては、暴風雨の中、3兄の「三毛入野命」が、「常世の国」へ去ってしまうことを伝えてます。
詳しくはこちらで⇒「熊野灘海難と兄の喪失|なぜ!?兄達は暴風雨の中で歎き恨み逝ってしまった件|分かる!神武東征神話」
暴風雨の中で行ってしまうのですから、その方向は海上、太平洋方面ですね。
まずココチェック。
そして、
②の垂仁天皇記においては、日本神話における最高神「天照大神」が、「伊勢の地」を選んだ理由として、
この神風の伊勢国は、常世の浪の 重浪 帰する国なり。傍国の 可怜し国なり。是の国に 居らむと欲ふ。
「この神風が吹く伊勢国は、理想郷から打ち寄せてくる波が幾重にも重なって次々に打ち寄せる国。宮中から遠く離れた国だけれど、とても美しい国だ。この国に居ることにしよう。」
として伝えます。
「(伊勢は)常世の浪が幾重にも重なって次々に打ち寄せる国だ」と。
「常世の浪」とは、「常世の郷から打ち寄せて来る波」の事。
以上のことから、
伊勢の国は、そんな理想郷からの波がおしよせる美しい国、だからここに住みます、と宣言した天照大神、という訳です。
以上の2点の記述より、伊勢の国の先、ずっと先には、常世の国という理想郷が設定されていたことが分かるのです。
まずは、三重県の持つこうした位置づけをチェックいただければと思います。そして、三重県を訪れたさいは、海の向こうに理想郷がある、というロマンを感じていただければと。
▲二見興玉神社の夫婦岩より。この海の遥か向こうに常世の国があるんです。うーん、コレ、神話ロマン。
その上で、以下神社をご紹介。
2.伊勢神宮にちなむ神社
伊勢神宮(皇大神宮・内宮)
御祭神:天照大神
輝くこと明るく美しく、その徳でもって天地四方の隅々までも照らす最高神。
御利益:あらゆる方面にて
創建は、第11代の垂仁天皇代(←諸説ありますが、紀元年前後のころ、つまり今から2000年ほど前ということです)。
それまでは天照大神は宮中に祭られていたのですが、その天照パワーがあまりにも強すぎて、いろいろ大変なことが発生してしまったので、別のところに移ることになった経緯があります。
垂仁天皇の第四皇女である「倭姫命」が、天照大神の神魂(すなわち八咫鏡)を鎮座させる地を求め諸国を旅し、最終的におさまったのが現在の地です。
⇒「伊勢神宮(皇大神宮・内宮)|参拝方法や見どころをまとめてご紹介!高天原の統治者であり最高神「天照大神」を祭る神社には太古から続く静謐な空気が漂っています。」
日本神話において高天原の最高神として燦然と輝く天照大神。神話ファンは鉄板の参拝スポットですね。
外宮(豊受大神宮)
御祭神:豊受大御神
御利益:衣食住、産業の守り神として信仰を集めています。
天照大御神の「お食事」を司る御饌都神である、豊受大御神をお祭りしてます。伊勢神宮の台所的神社。
今から約1500年以上も昔から、伊勢神宮の天照大神他、別宮の神々に食事を供えるお祭りが続けられているという、激しく奥ゆかしい神社です。境内は、深い森に覆われていて神秘的な空気が漂っています。
伊勢神宮参拝の前に是非。
⇒「外宮(豊受大神宮)|伊勢神宮の台所!天照大神の食事を司る豊受大御神は衣食住や産業の守り神としても篤い崇敬をあつめていますが、実は丹波国出身。」
月読宮(皇大神宮別宮)
御祭神:月読命
日本神話において、天照大神の弟神的立ち位置の「月読尊」を祭っています。また、伊勢神宮=皇大神宮(内宮)の「別宮」として位置づけられてます。
境内は、深い木々に囲まれた静謐な空間が広がり、社殿が4つ並列している独特のスタイルです。
⇒「月読宮(皇大神宮別宮)|簡素明澄にして清純な四宮が並列する美しく独特な神社。月読尊は親子で祭られていますが参拝の順番にご注意を。」
月夜見宮(豊受大神宮別宮)
御祭神:月夜見命
御利益:
日本神話において、天照大神の弟神的立ち位置の月夜見尊を祭っていて、伊勢神宮の正宮である豊受大神宮の別宮として位置づけられています。
つまり、日本神話における天照との関係が現在の伊勢神宮との関係とリンクしている神社です。
⇒「月夜見宮(豊受大神宮別宮)|清々しさとシンプルさを兼ね備えた社殿が美しい!天照大神の弟的立ち位置の月夜見尊を祭る神社」
猿田彦神社
御祭神:猿田彦大神
御利益:交通安全・方位除けの神社として信仰されています。開運系のご利益。
天孫降臨の際、天孫の「みちひらき」されたという猿田彦大神を祭ります。立派な社殿が印象的で、伊勢神宮の近くにご鎮座されてます。
猿田彦の末裔である「大田命」という方が、伊勢に到着した倭姫命に、五十鈴川上を天照大御神の鎮座の地であると教示し土地を献じたと伝えます。
⇒「猿田彦神社|異様な恰好の守衛神「猿田彦神」を祭る!道ひらき・交通安全・方位除けのご利益で信仰される神社を日本神話とあわせてご紹介」
御塩殿神社
御祭神:御塩殿鎮守神
神社とは言いつつ、伊勢神宮の御料地として神宮に奉納する「堅塩」を作る工場的なスポット。
御料地とは、神宮の神事に使われる神饌などを調進する施設のこと。
境内は、生い茂る木々が古代からの神聖な空気をかもしだしていて、とても神秘的な風。2000年以上の歴史を持つ製塩工場兼神社を是非。
⇒「御塩殿神社|伊勢神宮の直営製塩工場&御料地!神宮に奉納する「堅塩」を古代の製法で2000年以上作り続けているという激しく奥ゆかしい神社」
夫婦岩と二見興玉神社
御祭神:
- 猿田彦大神
- 宇迦御魂大神
御利益:
猿田彦大神・・・開運招福、家内安全、交通安全の守護神。さらに、魂を導き甦(よみがえ)らせる御神威により甦りの神。そして、土地の邪悪を祓い清め災厄を除く福寿の神。最近では縁結び・夫婦円満ご利益も。これは、どちらかというと夫婦岩から。
宇迦御魂大神・・・稲の霊の神。食糧を司る神、後に衣食住産業の守護神。
夏至の前後には遠く富士山の背後から昇る日の出を眺められる事で有名で、いろんなところで取り上げられる超有名スポット。
「二見」という地名も、「倭姫命」が二見興玉神社から見た風景の美しさに2度振り向いたことからついた、と言われております
⇒「夫婦岩と二見興玉神社|夫婦岩の間から昇る日の出の美しさと荘厳さに感動!倭姫命がその美しさに2度振り向いたのも納得の、伊勢の超おススメ観光スポット!」
3.日本神話にちなむ神社
花窟神社
御祭神:伊奘冉尊
「黄泉の国」を統治する伊奘冉尊(♀)が祀られている「ただならぬ地」。
高さ約45メートルの巨岩と古代から続く祭祀でもって「黄泉の国を司るお方」を鎮めているという「曰くつき」スポット。
実際、その巨大さは圧倒される感じで、黄泉の国=死のきな臭さすら感じる静謐さを感じます。
神話ファンなら絶対に外してはならない超重要スポットであります。
⇒「花窟神社|黄泉の国=死を司る伊奘冉尊を祭る!高さ45mの圧倒的な巨岩が必要な理由を日本神話的背景から全部まとめてご紹介!」
まとめ
三重県の神社巡り
どこまでも日本神話推しな当サイトならではの三重県の神社巡り、いかがでしたでしょうか?
とにもかくにも伊勢神宮が有名ですが、三重県は日本神話では「常世の国」という背景設定があることを是非チェックしていただければと思います。
確かに三重県に漂う空気や時間は、とてもゆったりとしていて、天照大神が「可怜し国=美しい国」と称賛したのもうなずけます。
こうした位置づけや背景を持つようになったのも、やはり三重が持つ豊かで美しい自然があってこそ。神社巡りを通じて、日本神話のみならず、こうした三重の自然を是非感じていただければと思います。
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