多家神社|神武天皇が東征で立ち寄り滞在した多家神社(埃宮・多祁理宮)は勝利開運御利益のパワースポット!

 

多家神社たけじんじゃは、広島県安芸郡府中町にある神社。

別名「埃宮えのみや」。神武天皇が東征の際、立ち寄り滞在したと伝えられる神社です。

尚、『日本書紀』では「埃宮えのみや」と伝え、『古事記』では阿岐国(安芸国)の「多祁理宮たけりのみや」に7年間坐す、と伝えます。

今回は、平安時代には、現在の厳島神社、速谷神社とともに、全国屈指の大社とされた由緒ある神社をご紹介です。

 

多家神社|神武天皇が東征で立ち寄り滞在した多家神社(埃宮・多祁理宮)は勝利開運御利益のパワースポット!

多家神社に関連する日本神話

まずは、当サイトならでは、多家神社に関連する日本神話をご紹介。

こちら、実は、日本の建国神話である「神武東征神話」にちなむ場所に鎮座されてます。

日本初代天皇「神武天皇」は、建国を果たすため東征の旅に出るのですが、その途上、ココ広島にある多家神社に立ち寄ったと伝えてます。

神武東征ルート

『日本書紀』で伝える内容は以下の通り。

12月27日に、安芸の国に到る。「埃宮えのみや」に居住する。(十有二月丙辰朔壬午、至安藝國、居于埃宮。)『日本書紀』巻三 神武紀より

東征順風・戦闘準備

コレだけです!

『古事記』ではこんな感じ。

また、その国(筑紫国)から上り、阿岐の国の多祁理宮たけりのみやに七年滞在した。(原文:亦從其國上幸而、於阿岐國之多祁理宮七年坐。) 『古事記』中巻より

『古事記』 中巻

うん、こちらもコレだけ。

 

『日本書紀』と『古事記』とでは、表記含めて違うところがありますよね。

文献 『日本書紀』 『古事記』
到着した国 安藝國 阿岐國
滞在場所 埃宮 多祁理宮
滞在時間 記述無し 7年

どっちか正しいとかではなく、どちらも日本最古の文献で伝える日本神話の中で、ココ広島の地が記述されている事をチェックです。

1行ですが、この地が記述されているという事は意味や理由があったはずで、それを考えてみるのは神話ロマンを掻き立ててくれます。

ちなみに、、、

多家神社たけじんじゃが建つ広島県安芸郡府中町は、なんと、古代は海がせまっていたとされ、神社が建つ誰曽廼森たれそのもりは小島のような感じになっていたの事。たしかに、多家神社も、小高い丘の上にあって、周辺まで大船団でやってきた神武一行が立ち寄るのに相応しい高さのところにあったりします。

という事で、

多家神社は東征神話の伝承地としての意味もある、いや、むしろこちらがメイン!

ってことを是非チェック。そうすると当社の激しく奥ゆかしい感じがお分かりいただけるかと思います。

 

多家神社への道

多家神社の鎮座地は、広島県安芸郡府中町 宮ノ町3丁目1-13。

瀬戸内海からも近いところにあり、コレ、東征神話を踏まえれば納得の場所。

 

神社の入口付近はこんな感じ。このへん一帯が海だったなんて。。。

多家神社(埃宮) (24)

▲全然想像もつかないくらい平和なエリアです。でも神武の大船団がココにやってきたのであります。イイねー!!!

 

多家神社(埃宮) (22)

▲今回ご紹介する多家神社は、府中町歴史民俗資料館の目の前です。

 

多家神社(埃宮) (25)

▲境内の様子。まっすぐな石段の奥が本殿です。空間の作りに奥行きがあって心地いい風。

 

多家神社(埃宮) (26)

 

多家神社の創建経緯

先ほどお伝えした通り、神武東征神話で神武が立ち寄った、或いは滞在したという伝承が起源。『日本書紀』で伝える「埃宮えのみや(古事記では多祁理宮たけりのみや)」が後に多家神社たけじんじゃとなったという訳。

平安時代には、現在の厳島神社、速谷神社とともに、全国屈指の大社とあがめられほど社勢を拡大。ところが、中世になると武士の抗争で社勢が衰え所在不明に。。。なんてこった。

江戸時代には、「松崎八幡宮」と、安芸国総社である「総社」が式内「多家神社」の後裔社を主張して大変な論争に。。。こっちが本家本元や!と。

で、明治時代に入って、明治6年、両社を廃止して、現在の「誰曽廼森たれそのもり」に社殿を造営、両社で祀られていた神を祀る「多家神社」が新たに創建された次第。いやー良かった良かった。。。

ちなみに、「誰曽廼森たれそのもり」とは、神武天皇が、この地の者に「曽は誰そ」と尋ねたところから。

そはたれそ→たれそのもり

???

うーん。。。流石です!そんな記述は記紀には無いけど!

ちなみに、「もり」は本来「もり」であり、木の茂っている神聖な場所の意味。それが神社の杜→森となった訳です。

で、いろいろあって、大正4年には社殿焼失の憂き目にもあいつつ、県内各地からの支援があって、今日の本殿、拝殿を再建したという訳。

まーホント、いろいろありました。で、現在は、唯一残る宝殿は県指定文化財にもなってたりします。

 

多家神社の境内

最初の鳥居をくぐると、階段が。。。

多家神社(埃宮) (29)

▲結構、急な階段です。今立ってるところは古代、海。多分、階段の上あたりまで??で、ココに神武の大船団が到着したのだろう、、、うーん神話ロマンやね。

 

多家神社(埃宮) (35)

▲階段登りきった所から振り返るの図。これ、きっと神武も見たであろうビュー。

 

多家神社(埃宮) (1)

▲小奇麗な神社。さっぱりとして無駄が無い感じがステキです。

 

多家神社(埃宮) (6)

▲手水舎

 

多家神社(埃宮) (9)

▲堂々たる威容です。屋根の線形が美しい!!

 

多家神社の御祭神と御利益

多家神社(埃宮) (17)

御祭神:

  • 神武天皇
  • 安芸津彦命あきつひこのみこと – 安芸国の開祖神

相殿神

  • 神功皇后じんぐうこうごう
  • 応神天皇おうじんてんのう
  • 大己貴命おおなむちのみこと

ちなみに、安芸津彦命については、こちらで詳しく解説。

ジモトならではの発展応用。田所さん、実は凄いんです、マジで。

御利益:

  • 神武天皇・・・勝利開運、事始、政治
  • 神功皇后・・・交通、厄難除、安産・育児
  • 大己貴命・・・招福開運、商業、医薬、健康、縁結び

みなさま協力してオールマイティな御利益です!

 

その他の施設

宝蔵

多家神社(埃宮) (19)

昭和29年(1954年)に県重要文化財に指定されてます。入母屋造平入檜皮葺。校倉造の校子(あぜこ)組手を四角形とする異例のもの。中には神輿が納められてます。

おもいで石

多家神社(埃宮) (14)

身長が測れる石。お子様の成長の記録、家族の思い出づくりに、との事。

 

貴船神社

多家神社(埃宮) (31) 多家神社(埃宮) (33)

御祭神:高龗神たかおかみのかみ別雷神わけいかづちのかみ大山津見神おおやまつみのかみ

御利益:運気アップ、えんむすび、所願成就

本家本元の貴船神社はコチラで⇒「貴船神社|水神を祭る水のパワースポット!貴船神社の魅力を全部まとめてご紹介!

 

そして!

当サイトとしてはコチラを激しく推させていただきます。

当社の立つ森の裏手には、まさに神武天皇が立ち寄った場所はココや!と証明する顕彰碑が建っているのだー!!!コチラ!

是非チェックされてください!広島にある日本神話ロマンをこれでもかと掻き立ててくれるナイスなスポットであります。

 

まとめ

多家神社(埃宮)

多家神社たけじんじゃは、神武東征神話において、神武天皇が東征の際、立ち寄った、或いは滞在したと伝えられる神社。別名「埃宮えのみや」。

『日本書紀』では「埃宮えのみや」と伝え、『古事記』では阿岐国(安芸国)の「多祁理宮たけりのみや」に7年間坐す、と伝えます。

神武天皇はじめ諸神をお祭りすることにより、勝利開運、事始、政治、交通、厄難除、安産・育児、招福開運、商業、医薬、健康、縁結びなど、幅広くてオールマイティな御利益ありです!

参拝の際には、東征神話を踏まえて行かれてください。そして、裏手の顕彰碑も忘れないで、、、

 

多家神社(埃宮)

住所
広島県安芸郡府中町 宮ノ町3丁目1-13
駐車場 あり
トイレ あり
HP 多家神社のHPはコチラ!

 

多家神社(埃宮)が登場する日本神話をチェックするのだ!

東征順風・戦闘準備
『古事記』 中巻

 

安芸国三社と言えば、多家神社の他にコチラ!

 

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1件のコメント

2019年4月7日友人3人で、初めて参拝しました。紀元2600年記念奉賛会が建立した記念碑も見ました。全国に18の記念碑が建立され、最後に竣工式を昭和16年11月に行われ、翌月太平洋戦争に突入したという記述には感慨深いものがあった。

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参考文献:『古代神話の文献学』(塙書房)、『新編日本古典文学全集 日本書紀』(小学館)、『日本書紀史注』(風人社)、『日本古典文学大系『日本書紀 上』(岩波書店)他
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