『古事記』を中心に登場する神様をご紹介します。今回は「天之常立神」です。
『古事記』では「天之常立神」、『日本書紀』では「天常立尊」として登場。
名義
天空が永久に立ち続けること。
「天」は文脈から言えば「高天原」ではなく「天空」の意。
活動
国土浮漂のとき、葦芽に依って化成した独神。
『古事記』では、宇摩志阿斯訶備比古遅神の次に化成した独神で、身を隠していた別天つ神。
『日本書紀』では一書第六で登場。
一書に曰く、天地初めて判れしときに、物有り。葦芽の若くして空の中に生れり。此に因りて化れる神を天常立尊と号す。
位置づけ
『古事記』では、中空の宇摩志阿斯訶備比古遅神から、天空の天之常立神へと上昇的に位置づけています。
『日本書紀』では、「国常立尊」と対をなす神で、ここから、天界と国土との区別がはっきりしていたことが分かります。
「空の中に生れり」として「天常立尊」とあり、これは、葦芽が勢いよく伸びて空中にあるとの視点と思われます。
始祖とする氏族
無し
ただし、『新撰姓氏録』には「天底立命」があって、これが「天常立尊」の音変化だとするなら、伊勢朝臣(左京、神別、天神)の始祖ということになります。
登場箇所
天常立尊 『日本書紀』神代上
天之常立神 『古事記』上
参考文献:新潮日本古典集成 『古事記』より 一部分かりやすく現代風修正。
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