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日本最古の書『古事記』をもとに、
最新の文献学的学術成果も取り入れながら、どこよりも分かりやすい解説をお届けします。
今回は、
『古事記』の神武東征神話を分かりやすく解説するシリーズ第5回目。
「宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯」をお届けします。
『古事記』中巻|神武東征神話⑤ 宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯
目次
『古事記』中巻|神武東征神話⑤ 宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯の概要
『古事記』中巻の神武天皇代をもとにお届けします。前回の内容、これまでの経緯はコチラ↓を確認ください。
そのうえで、、
ポイント2つ
①宇陀を攻略するのは、背に日を負って奈良盆地=大和へ攻め込むため
東征神話全体の中で、今回の舞台「宇陀」が持つ意味としては、東から西へ攻め込む為の拠点として。ココ、宇陀を攻略できれば、日を背に負って、つまり日神の威を負って勝ち進めることができるようになる訳です。
その意味で、戦略的に非常に重要な場所。神武としては何としてもゲットしなきゃいけない場所だったりする訳です。
次!
②自然(荒ぶる神)を相手にした戦いから、人を相手にした戦いへの転換。以後「在地豪族の制圧」がメインテーマに
これまでの熊野越えは、大自然あるいは神が襲いかかるシリーズでした。人の力ではどないにもならん状況発生に対して、天照や高木神が救援の手を差し伸べる構図だったんですが、山から野へ、宇陀からは人を相手にした戦いへ切り替わります。
そこで登場するのが兄宇迦斯と弟宇迦斯。この二人、宇陀一帯を支配していた模様で、この在地豪族を制圧する神話が展開していく訳です。
ちなみに、、人が相手ですから、モノを言うのは「武力」。そのほか、「思惑」や「策略」が走るなど人界ならではの展開に。。コレも重要なポイントです。
まとめると
- 宇陀を攻略するのは背に日を負って奈良盆地=大和へ攻め込むため
- 自然(荒ぶる神)を相手にした戦いから、人を相手にした戦いへの転換。以後、「在地豪族の制圧」がメインテーマに
の2点をしっかりチェック。
最後に、
当サイトとしては、是非、正史『日本書紀』と比較してチェックいただきたい!その方が、『古事記』の注力しているポイントがとっても分かりやすくなる。コチラ!
それでは本文をどうぞ!
『古事記』中巻|神武東征神話⑤ 宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯の本文
古事記 : 国宝真福寺本 中巻 国立国会図書館デジタルライブラリより 宇陀に兄宇迦斯と弟宇迦斯の二人がいた。なのでまず八咫烏を派遣して二人に問うて「今、天神の御子がいらっしゃった。汝らは仕え申し上げるか」と言った。ところが、兄宇迦斯は鳴鏑をもって待ち構えその使を射返した。それにより、其の鳴鏑の落ちた地を、訶夫羅前と謂ふ。
(兄宇迦斯が)「待ちぶせて撃とう」と云って軍を集めた。しかし、軍を集めることが出来なかったので、仕へ申し上げると偽って、大きな御殿を作り、その御殿の中に押機を作って待っていた。
この時に弟宇迦斯が先づ参上して拝礼して「私の兄、兄宇迦斯が天神の御子の使を射返し、将に待ち伏せして攻めようと軍を集めていましたが、集めることができなかったので、御殿を作りその中に押機を仕掛けて待ち、命を取ろうとしています。故に、参上して暴露し申し上げます」と言った。
ここに、大伴連等の祖先である道臣命と、久米直等の祖先であるの大久米命の二人が、兄宇迦斯を召し、罵って「お前が作り申し上げた大きな御殿の中には、貴様がまず入ってお仕え申し上げようとする様子を明らかにしろ」といって、すぐに横刀の柄を握り矛をあやつり突き矢を番えて追いたて入れたとき、自分が作った押機に打たれ死んだ。そこで、引きずり出して斬り散らした。ゆえに、其地を宇陀の血原と謂う。
然して、弟宇迦斯が献上した大饗は、すべて御軍にお与えになった。この時、歌ひて曰く、
宇陀の高城に鴫を捕まえる罠を張って私は待っているが、鴫はかからずいさましく大きな鯨がかかった。古い女房がおかずをご所望とあらば、そこらで生えてる柧棱の実の少ないところをたくさん削いでくれてやれ。かわいいめかけがおかずをご所望とあらば、厳榊の実の多いところをたくさん削いでくれてやれ。うおーっ、あいつめ、こらこら、こは人を嫌い憎む声を出すぞ。うおーっ、こいつめ、それそれ、こはあざ笑うぞ。
( 鴫罠張る 我が待つや 鴫は障らず いすくはし 鯨障る 前妻が 肴乞はさば 立ち柧棱 實の無けくを こきし削ね 後妻が 肴乞はさば 厳榊 實の多けくを こきだ削ね ええしやごしや 此は、いのごふそ ああしやごしや 此は、嘲咲ふぞ )
故に、弟宇迦斯、これは宇陀の水取等の祖先である。
故爾、於宇陀有兄宇迦斯自宇以下三字以音、下效此也弟宇迦斯二人。故先遣八咫烏問二人曰「今天神御子幸行。汝等仕奉乎。」於是兄宇迦斯、以鳴鏑待射返其使、故其鳴鏑所落之地、謂訶夫羅前也。將待擊云而聚軍、然不得聚軍者、欺陽仕奉而、作大殿、於其殿內作押機、待時。弟宇迦斯先參向、拜曰「僕兄・兄宇迦斯、射返天神御子之使、將爲待攻而聚軍、不得聚者、作殿其內張押機、將待取。故、參向顯白。」
爾大伴連等之祖・道臣命、久米直等之祖・大久米命、二人、召兄宇迦斯罵詈云「伊賀此二字以音所作仕奉於大殿內者、意禮此二字以音先入、明白其將爲仕奉之狀。」而、卽握横刀之手上、矛由氣此二字以音矢刺而、追入之時、乃己所作押見打而死。爾卽控出斬散、故其地謂宇陀之血原也。然而其弟宇迦斯之獻大饗者、悉賜其御軍、此時歌曰、
宇陀能 多加紀爾 志藝和那波留 和賀麻都夜 志藝波佐夜良受 伊須久波斯 久治良佐夜流 古那美賀 那許波佐婆 多知曾婆能 微能那祁久袁 許紀志斐惠泥 宇波那理賀 那許婆佐婆 伊知佐加紀 微能意富祁久袁 許紀陀斐惠泥 疊疊音引志夜胡志夜 此者伊能碁布曾。此五字以音。阿阿音引志夜胡志夜 此者嘲咲者也。
故、其弟宇迦斯、此者宇陀水取等之祖也。(引用:『古事記』中巻 神武東征神話より)
※現代語訳について原文中の尊敬語は冗長になるため原義を損なわない範囲で通常の言葉に変換。また、口誦性の投影による接続語(爾、故、及、於是、など)の頻用も原義を損なわない範囲で簡略化。
『古事記』中巻|神武東征神話⑤ 宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯の解説
宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯、いかがでしたでしょうか?
宇迦斯と弟宇迦斯ブラザーズ、、それぞれの思惑と挙動がオモシロすぎる、、、そんなロマンに思いを致しつつ。。。
以下詳細解説。
『古事記』中巻|神武東征神話⑤ 宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯のまとめ
宇陀の兄宇迦斯と弟宇迦斯
山から野へ、宇陀=人界における攻防神話、いかがでしたでしょうか?
大きくは、
宇陀を攻略するのは背に日を負って奈良盆地=大和へ攻め込むため、ってことで、戦略的に非常に重要な場所。神武としては何としてもゲットしなきゃいけない場所だったりする訳です。
そのうえで、これまでの、自然(荒ぶる神)を相手にした戦いから、人を相手にした戦いへ転換。以後、「在地豪族の制圧」がメインテーマになっていきます。
人が相手なんで、モノを言うのは「武力」。そのほか、「思惑」や「策略」が走るなど人界ならではの展開に。。
その中で活躍するのが、「道臣命」「大久米命」。この二人、天孫降臨で活躍した「天忍日命」と「天津久米命」の子孫だったりします。
構図としては、
- 天孫降臨:天つ日嗣(皇位継承)をテーマに、天から地へ皇孫が降臨する
- 宇陀攻略:国覓ぎ(統治する適地探し)をテーマに、東から西へ、山から野へ、神武が東征する
という形で、時空を超えて重ねあわされてる訳です。これもしっかりチェック。
本シリーズの目次はコチラ!
『日本書紀』版東征神話の解説はコチラ!
神話をもって旅に出よう!
神武東征神話のもう一つの楽しみ方、それが伝承地を巡る旅です。以下いくつかご紹介!
をどの血原伝承地※古事記が伝えるスポット
● 菟田の高城
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日本神話編纂の現場!奈良にカマン!




























→宇陀は、現在の奈良県宇陀市。宇陀盆地の在地勢力として兄宇迦斯・弟宇迦斯ブラザーズがいたと。。
ポイント4つ。
①宇陀を攻略するのは背に日を負って奈良盆地=大和へ攻め込むため
そもそも、今回、なぜ宇陀が登場するのか?ってことなんですが、それはやはり、東から西へ攻め込む、つまり日を背に負って、日神の威を負って勝ち進めるためであります。そのためにも、奈良盆地の東に位置する宇陀を攻略する必要があった、、まず、この戦略をしっかりチェック。
その上で!
②宇陀は、これまでの自然(荒ぶる神)を相手にした戦いから、人を相手にした戦いへの転換点。以後「在地豪族の制圧」が主要テーマに
これまでの熊野越えは、大自然あるいは神が襲いかかるシリーズでした。人の力ではどないにもならん状況発生に対して、天照や高木神が救援の手を差し伸べる構図だったんですが、山から野へ、宇陀からは人を相手にした戦いへ切り替わります。
そこで登場するのが兄宇迦斯と弟宇迦斯。本文でも「二人がいた(原文:二人)」とあり、人になっとる。この二人、宇陀一帯を支配していた模様で、この在地豪族を制圧する神話が展開していく訳です。
ちなみに、、人が相手なんで、モノを言うのは「武力」。そのほか、「思惑」や「策略」が走るなど人界ならではの展開に。。コレも重要なポイント。
そして!
③これまでとは違う戦い方!?人界ならではなんだが、ある意味、神武の成長だったりして、、
「まず八咫烏を派遣して二人に問うて「今、天神の御子がいらっしゃった。汝らは仕え申し上げるか」と言った(原文:故先遣八咫烏問二人曰「今天神御子幸行。汝等仕奉乎。」)」とあります。巨大なカラスがしゃべった!?? っていうロマンはさておき、、
ここ、結構重要なポイントで。
要は、今回、神武はまず使者を立てて恭順の意向を確認した訳で、コレ、今までに無い行動であります。前回、登美毘古との戦いではそのまま突っ込んでいってましたよね。だからこそ戦いになった。戦術として非常に稚拙で、情報不足と己への過信・驕りもあって、見事に敗戦を喫した訳です。
それに対して、
本シーンでは、まず使者を立てて意向確認、それでも帰順しないのであれば徹底的に叩く、というやり方。ここに、神武の成長を見ることができる訳です。 って私は何様でしょうか???
敵の情報を把握せず突っ込んでいくやり方から、使者を立て相手の意向を確認した上で対応を決めるやり方へ。大きな戦術の転換であり、東征神話全体としては神武の成長としてチェック。
そしてそして!
④兄宇迦斯と弟宇迦斯は「兄の邪悪・劣弱、弟の善良・優強」という古代兄弟譚の類型によるもの
「兄宇迦斯は鳴鏑をもって待ち構えその使を射返した(原文:於是兄宇迦斯、以鳴鏑待射返其使)」とあります。恭順確認に対して反抗したと。
この兄の反抗は、古代兄弟譚の類型がベースになっていて、「兄は邪悪・劣弱、弟は善良・優強」と言う構図によるもの。
ま、いつの時代も、兄は何をするか分からない存在で。。弟はそんな兄の言動を見て空気読みながら冷静に対処する??
最後に、「鏑の落ちた地を、訶夫羅前」とありますが、コチラ場所は不詳。。
次!
→使いである八咫烏を追い返しただけでなく、いよいよ軍を集め始める兄。。ところが、、、人気がなかったのか人望がなかったのか軍が集まらなかった、、
「偽って(原文:欺陽)」について。特定の熟語としてある訳ではなく、「欺く」+「陽(表向き)」で、「人をだます」「表面を取り繕う」といった意味。表向きは神武に仕えると言っておきながら裏では神武を殺す準備を進めていく。
「大きな御殿を作り、その御殿の中に押機を作って待っていた(原文:作大殿、於其殿內作押機、待時)」とあります。
おそらく神武を迎え入れる用の饗宴会場としての御殿。その中に「押機」を作ったと。この「押機」、床を踏むと(多分)上から巨大な何かが落ちてきて圧死させるからくり付き圧殺機のことと考えられます。「機」はからくり。って、なんて恐ろしい。。
こうした準備を整えて神武が来るのを今か今かと待っていた訳です。。。
次!
→対して弟は、兄の悪巧みを全部暴露する、、、流石だ弟よ。。。
「弟宇迦斯が先づ参上して拝礼して(原文:宇迦斯先參向、拜)」とあり、「參」「拜」という漢字が使われてます。コレ完全に臣下の礼。神武を「天神の御子」として認識しているところも流石でござる。
「天神の御子」なんで、空気読める人は恭順に切り替える。読めない人は我を通す、結果自滅する、、という枠組み。それにしても、、弟が兄の悪巧みを全て洗いざらいタレ込むなんて。。。これも、人界ならではの展開か、、、
次!
→ついに登場、将軍「道臣命」!!
先に言葉の解説を少し。
「大伴連等の祖先である道臣命」について。「道臣命」は東征神話で活躍する武将。『日本書紀』版では熊野越えや宇陀攻略、忍坂残党狩りなど大活躍します。ココでも、兄宇迦斯を追い込んで斬り散らかすなど、その勇猛さがビシビシ伝わってきますな。
ちなみに、「道臣命」の祖先は「天忍日命」。『古事記』の天孫降臨の場面では、天忍日命・天津久米命(久米直の祖)の2人が、背に強固な靫を負い、腰に頭椎の大刀を佩き、手に天のはじ弓を持ち、 天の真鹿児矢をたばさんで、天孫の先導をしたと伝えてます。
そして、道臣命の子孫が大伴連(大伴氏)。のちの時代に、物部氏と共に朝廷の軍事を管掌していくことになる。
なので、天忍日命 ー 道臣命 ー 大伴連(大伴氏)という系譜があったりします。
ちなみに、
大伴氏、物部氏ともに軍事担当なんですが、大伴氏は宮廷を警護する皇宮警察や近衛兵のような役割を、物部氏は国軍的な役割を担っていたようで、東征における軍事的活躍がのちの時代にも引き継がれてることが伺えます。
さらにちなみに、
「連」について。歴史の話ではありますが、大和政権の位階である「姓」の一つで、かなり高い位の豪族が保持した称号であります。「連」の姓を称した氏族には、大伴氏・物部氏・中臣氏・土師氏・弓削氏・尾張氏などがあって。多くは早くから大王に服属し、軍事や祭祀など特定の職能を専管する地位にあったようで。
そして!
「久米直等の祖先であるの大久米命」について。先ほどの解説でも触れましたが、『古事記』的には「大久米命」の祖先は「天津久米命」。天孫降臨の際、天忍日命と並んで天孫の先導をしたと伝えてます。
なので、こちらも、天津久米命 ー 大久米命 ー 久米直という系譜があったりして。
ただ、、、『日本書紀』版東征神話では、「大久米命」という個人名は登場せず、「久米部」という軍団名になってます。しかも道臣命が指揮。このことから、一説には、久米部を管轄する一族が没落し、その後、大伴氏が久米部を管轄するようになった、ともいわれてたりして、、
ちなみに、
「直」は同じく大和政権の位階の一つで、地方豪族系の称号。やはり「連」よりは下になります。
そしてそして!
「お前が(原文:伊賀此二字以音)」。原文で音読み注があるので、読みとしては「いが」。この「い」は二人称代名詞で卑称。なので、「お前が」。
「貴様が(原文:意禮此二字以音)」。同じく原文で音読み注があるので、読みとしては「おれ」。この「お」も第二人称(あなた)を指す蔑称的・卑下的な表現。「お前が」「貴様が」。
「手上(原文:手上)」は、刀の柄(つか:手で握る部分)。
「矛をしごき(原文:矛由氣此二字以音)」は、音読み注があるので読みは「矛ゆけ」。矛を行かせる意から、矛をあやつって突くこと。
そのうえで、
①「道臣命」「大久米命」の活躍は天孫降臨を強く意識した描写
先ほど解説したとおり、「道臣命」の祖先「天忍日命」と、「大久米命」の祖先「天津久米命」は、天孫降臨で邇邇芸命の先導を担いました。
逆に言うと、というか、天孫降臨から時代がくだって今、ココで天孫降臨で活躍した「天忍日命」の子孫「道臣命」と、同じく「天津久米命」の子孫「大久米命」が、神武=天神の御子の東征で活躍する。
コレ、構図としては、
という形で、時空を超えて重ねあわされてる訳です。
そして!
②「道臣命」「大久米命」の勇猛さ、力強さをことさらに強調する描写
ココ、これまでにない非常に猛々しい表現が連続してます。「罵って」「お前が」「貴様が」「横刀の柄を握り矛をあやつり突き矢を番えて追いたて入れた」「引きずり出して斬り散らした」など、、二人の武将の力強さとか豪傑さが伝わってきますよね。
コレ、意味合いとしては、
ココは、神がすむ山ではなく人が住む「人界」。軍勢や策略がモノをいう世界。だからこそ、神武は自ら手を汚す事はせず、臣下の活躍を通じて敵を殺し制圧を進めていく。この結果、臣下の活躍が目を引くことになり、結果的に、それほどの臣下を率いている神武の価値が上がっていく仕掛けになってる、とも言える訳です。
先ほどの天孫降臨との重ねあわせといい、非常に練りに練られた神話展開になってます。
最後に、
「其地を宇陀の血原と謂う(原文:其地謂宇陀之血原也)」について、伝承地はコチラ↓
をどの血原伝承地
〒633-2223 奈良県宇陀市菟田野宇賀志1096次!
→兄の悲惨な死に対して、弟のうまくやってる感がスゴイ、、、兄からずっと虐げられてたのかい?
弟宇迦斯が盛大なごちそう&宴を催して神武をねぎらおうとする。が! 神武はすべて東征の兵士たちに与えたと。。ココ、神武が素晴らしいリーダーであることをさらっと伝えてる個所であります。
次!
→コレ、神武の歌った歌で、「久米歌」と呼ばれてます。
この歌の解釈には2通りあったりします。1つ目が、「くぢら」を兄宇迦斯とみなす内容。2つ目が、弟宇迦斯が全く思いもよらない大御馳走で慰労したことをたたえる歌とみなす内容。
手がかりは歌の直前にある2つのイベント。
で、
①に即しての解釈で、「くぢら」を兄宇迦斯とみなす内容については、兄宇迦斯を持ち上げすぎです。また、それだと「わが待つや」と神武軍が兄宇迦斯を罠でとらえようとしていた歌になるのですが、実際はそうではない(罠をしかけたのは兄宇迦斯であり、自分で死んだ)ので不成立であります。
どっちかというと②に即した解釈が〇。
弟宇迦斯が思いもよらない大御馳走で慰労したことをたたえる歌とみなす内容で。神武は、その弟宇迦斯のもてなしを「くぢらが罠にかかったようなものだ」とほめあげて応じてみせた訳です。同時に、軍卒と共にしようと気遣いを示すもの。総じて、戦いの勝利を軍をあげて祝い楽しむ歌、そして神武の偉大さを、高らかに大笑いを交えて歌い上げてる内容なんです。
「前妻」「後妻」という言葉が登場してますが、コレ、特に誰というのは想定してなくて。勝利を祝い、ご馳走に浮かれたざれ歌、その場をもりあげたバカ騒ぎする「はやし歌」なので、意味的には、後妻の若い方にはいっぱいに、前妻の古女房には空っぽでもくれてやればいい的な、軍卒の労苦を慰め楽しませようとした歌として整理。コレ、古代の価値観なので悪しからず。。
次!
故、其弟宇迦斯、此者宇陀水取等之祖也。
→「水取」は、宮中の飲料水や氷室などを管掌する職とされてます。
弟宇迦斯が盛大なごちそう&宴を催して神武をねぎらったのが起源???
と、
いうことで、いろいろあって宇陀を攻略した次第。
これにより、奈良盆地=大和の東を制圧したことになり、いよいよ東から西へ攻め込むことができるようになった訳です。これも最後にしっかりチェック。