橿原宮即位と東征完結|歴史はココから始まる。橿原宮で即位し世界最古の国「日本」をつくった件|分かる!神武東征神話 No.25

神武東征神話を分かりやすく解説するシリーズ

今回は25回目。

つ、ついに橿原即位、東征完結。彦火火出見ひこほほでみは、天皇すめらみこととして即位し、日本建国を果たします。

この日、日本という国が始まり、歴史が始まりました。

そして、実はこれ以降、ずーっと日本は一つの国として継続しています。コレ、世界でも唯一無二。

最も古い歴史を持つ国、それが日本。本神話を通じて、この果てしない奥ゆかしさを是非感じていただければと思います。

詳しくは最後で。

 

橿原宮即位と立后|遂に東征完結。橿原の宮で天皇として即位し、神日本磐余彦火火出見天皇と名乗った件

即位の日、「辛酉かのととりの1月1日」は旧暦です。

新暦に直すと、今から 約2600年前 の2月11日だったという次第。詳しい計算式はあるのですが話がズレるので詳細は別エントリで。

古代の暦日と東征神話についてはこちらで。

十干・十二支を使った暦日と神武東征神話|暦の最初は「甲寅」。そして「辛酉」の年には革命が起きると考えた件|分かる!神武東征神話 No.24

2016.04.11

さて、

昭和15年、新暦1940年に「即位2600年」をお祝いしたわけで、

神武天皇聖蹟調査(昭和15年)による「聖蹟顕彰碑」まとめ|大人の事情満載だけど確かなものもきっとある件 (マニア限定)

2016.02.01

1940-2600=-660

ということで、紀元前660年2月11日が即位の日という事になっております。

日本では、これをもって毎年2月11日を「建国記念の日」と定め、国を挙げてお休みとし盛大に建国の事蹟を偲んでいる訳です。

橿原神宮紀元祭|2月11日「建国記念の日」レポ|天皇勅使から〇〇の方まで様々な人々がいらっしゃった件

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本文では詳しく触れませんが、橿原宮造営の命令を下した時の内容を再度確認しておきましょう。

詳しくはこちら。

橿原宮造営と八紘一宇|東征開始から6年が経過した今、天照から始まる神々の系譜や政治を踏まえ素晴らしい国をつくろうとした件|分かる!神武東征神話 No.21

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ポイントは、

  • 天照大神の直系子孫(=天孫)である彦火火出見ひこほほでみが、
  • 瓊瓊杵尊ににぎのみことの子として「彦火火出見」という名を自ら名乗り、
  • 天照大神あまてらすおおみかみ高皇彦霊尊たかみむすびのみことといった天神あまつかみが、この国を瓊瓊杵尊ににぎのみこと(天祖)に授けた「徳」に対して、瓊瓊杵尊と同じように答えるとともに、
  • 瓊瓊杵尊ににぎのみことの目指した正しきを養うという御心をひろめることを、自らの政治の理想とした。
  • そして、皇統こうとうの正統な後継者としての自覚に立ち、その精神を体現する政治の実現を目指した。

という事でした。

橿原即位に臨んだ神武天皇、その胸中には壮大なビジョンとゆるぎない決意があったのだと思います。ココ、最高の神話ロマン。

 

本文中の、「天つ日嗣あまつひつぎの大業を草創した」という表現には、上記背景があることをおさえておきましょう。

「天つ日嗣」とは、皇位を継承する事。または皇位。そして「大業」とは天神あまつかみがこの国を授けたその徳に答え、正しきを養う御心を弘める事。であります。

 

ちなみに、本文後半にある、「諷歌そえうた」「倒語さかしまごと」、これは、言霊ことだまの力によって災いや邪気を祓うという古代特有の考え方。

諷歌そえうたは、沿える歌、つまり、別のものに例えば言い換えることで、倒語さかしまごとはさかさま言葉的なもの。味方にだけに分かる暗号的な感じ。妖気を祓った、邪気を祓ったとあり、まさに「秘策」そのもの。

私たちも、結婚したり、家を建てたり、何かしら大事なタイミングで神社に行くときはお祓いをしてもらいますよね。それと同じような意味合いで、国全体を念頭にお祓いをしたのです。

ということで、以下本文を確認していきましょう。

 

神武東征神話現代語訳

橿原宮即位

辛酉かのととりの年の春、正月1日[1]彦火火出見ひこほほでみ橿原宮かしはらのみやで即位した。この年を天皇すめらみことの元年とし、正妃を尊んで皇后きさきとした。皇后は皇子の神八井命かむやいのみこと神淳名川耳尊かむぬなかわみみのみことを生んだ。

そこで、古伝承に天皇すめらみことを讃えて、「畝傍の橿原に、大地の底の岩に宮柱をしっかりと立て、高天原に千木をそそり立たせて、初めて国を治めた始馭天下之天皇はつくにしらすめらみこと」と伝え、名付けて「神日本磐余彦火火出見天皇かむやまといわれびこほほでみのすめらみこと」と言う。

初めて天皇が天つ日嗣あまつひつぎの大業を草創した日、大伴氏の遠祖である道臣命みちのおみのみこと大来目部おおほくめらを率いて秘策を承り、諷歌そえうた[2]倒語さかしまごと[3]とを巧みに用いて、災いや邪気を全て払った。倒語さかしまごとが用いられるようになった起りはここに始ったのである。

 

注釈

[1] 庚辰(こうしん)の朔(ついたち)

[2] 諷=添える、なぞらえるの意味。

[3] 言葉を逆に用いて敵に悟られないようにする言葉。

 

原文

辛酉年春正月庚辰朔、天皇卽帝位於橿原宮、是歲爲天皇元年。尊正妃爲皇后、生皇子神八井命・神渟名川耳尊。

故古語稱之曰「於畝傍之橿原也、太立宮柱於底磐之根、峻峙搏風於高天之原、而始馭天下之天皇、號曰神日本磐余彥火々出見天皇焉。」

初、天皇草創天基之日也、大伴氏之遠祖道臣命、帥大來目部、奉承密策、能以諷歌倒語、掃蕩妖氣。倒語之用、始起乎茲。

『日本書紀』巻三 神武紀より

 

まとめ

橿原宮即位と東征完結

紀元前660年2月11日が神武天皇即位の日。

この日、日本という国が建てられ、歴史がはじまりました。

冒頭でも触れましたが、

これ以降、ずーっと日本は一つの国として継続しています。

現在、世界には190か国以上の国と地域がありますが、1つの国が2600年以上も続いているところは日本だけ。リアルに唯一無二のオンリーワン的存在です。

 

例えば、東征神話でもちょいちょい出てくるお隣の中国。

中国は革命の歴史であり、300年以上持ちこたえた王朝はありません。

例えば、ヨーロッパで最も歴史が古いイギリス。

初代国王のウィリアム一世が征服完了した1066年を起点とした場合でも、英国王室の歴史は900年前後です。

 

それに対して、2600年以上の歴史を持つ国。いえ、神話の時代から考えると、果てしない広がりが見えてくる訳で。

世界最古の歴史を持つ国、それが日本です。

そして、その日本という国を建てたのが神武天皇だという事。

このことを、私たちはもっと大切にすべきですし、誇りとするべきだと思います。

 

また、

神武の事蹟から学ぶ事も大事だと思います。

  • 彼がどのように考え、決断したのか?どのように行動したのか?

それらを考える事で、神武は神話上の人物だけでなくもっと身近な存在として思えるはずです。

是非、彼の足跡をたどってみてください。

神武東征神話の聖蹟顕彰碑・伝承碑まとめ|実際に行ってみて、確かめてみたところを全部まとめてみた!(マニア限定)

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顕彰碑や伝承地を辿る旅を通じて、東征神話を追体験できます。し、その中でいろいろ感じていただけるはずです。

旅自体が素晴らしいだけでなく、行く先々で出会う地域の皆さんとも触れあうことで、忘れられない思い出ができるはず。また、旅の途上で、ご自身なりの神話解釈を組み立てていっていただければと思います。

本やネットで読むのと、実際に体験するのとでは、その意味合いも全然違ってきますよ。

 

と、いうことで、結論として、

神武東征神話を知る、追体験する事で、ご自身なりの神話的解釈をつくっていっていただきたいですし、そのさきには、自分自身のアイデンティティや誇りといった所へと広げていっていただければと思います。

本シリーズが、そうしたことを考えるきっかけになれば、これほど嬉しい事はありません。

全25回に渡ってお届けしましたが、最終的な着地はまさにココで。一人ひとりが神話を知り、学び、検証し、自分なりの答えを持つようになっていただければと切に願います。

 

長い間お読みいただきありがとうございました。

今年は神武崩御2600年という式年ということもあり、先出しで神武東征神話をお届けしてきました。

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本サイトは引き続き、神代に戻り、順次神様のお話をお届けしてまいります。

今後ともどうぞよろしくお願い申しあげます。もしよろしければご家族、ご友人他、皆さまへの拡散にご協力いただければ幸いです。

 

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こんにちは、さるたひこです!読んでいただきありがとうございます。「日本神話をこよなく愛するナビゲーター」として日本神話関連情報、題して「日本神話がおもしろい!」を発信していきます。どうぞよろしくお願いします。ちなみに、ネーミングは、天孫降臨の折、瓊瓊杵尊を道案内した国津神「猿田彦命」にあやからせていただいてます。ただ、神様の名前をそのまま使うのは畏れ多いので「さるたびこ」の「び」を「ひ」に変えております。